松本純 が台湾訪問

2025(令和7)年 5月4(日)〜6日(火)

トップへ 「松本純レポート」5月号

台湾を訪問し、頼清徳総統らに謁見

※5月4日(日)〜6日(火) 久しぶりに海外出張

神奈川県日華親善協会会長として、また元国会議員として自民党訪問団を結成し、台湾要人との交流のため訪台しま した。


54()晴れ時々曇り みどりの日

[台湾出張1日目]

●0600(日本時間)〜訪問団集合/羽田空港第3ターミナル・3F出発ロビー

●0755(日本時間)〜羽田空港出発/C1223

●1030〜松山空港到着〜市内視察

松山空港に到着し、市内をバスで走り、街の様子を視察しました。

●1240〜台湾日本関係協会・蘇嘉全会長昼食懇談会/ROU by T-HAM

台北松山空港に到着後、台湾日本関係協会・蘇嘉全会長とROUbyT-HAMにて昼食懇談会を行いました。その他、台湾日本関係協会・范振国(はんしんこく)秘書長(次期横浜弁事処処長予定者)、外交部・蘇定東氏、李杰宏氏、台湾日本語国際化協会・呉其哲理事長、台湾日本人会・徳光重人氏が参加され台湾、日本両国の外交、経済、農水関係の課題等に関し意見交換がなされました。(秘書白石報告)

●1430〜台北市〜新北市内視察

昼食懇談会後、台北市〜新北市内を観光。淡水、華山、錦町、迪化街を散策しました。淡水は台北を流れる淡水河の河口に開けた港町で17世紀にスペイン、オランダが上陸し19世紀にはイギリス領事館が置かれるなど古くから西洋文化が入っておりその影響もあり異国情緒が漂う街でした。
迪化街はフカヒレ、からすみ等の乾物や漢方薬などの問屋街であり台北市内でも古い町並みが残る一帯でした。(秘書白石報告)

●1800〜寧夏夜市〜夕食会/鶏家荘

総統府のライトアップ拝見

夕食前の時間に寧夏夜市を散策しました。台湾の伝統的な屋台料理がメインとなっており狭い通路に人が溢れんばかりの夜市でした。松本は愛玉ドリンク(愛玉ゼリー入り)と茹でた海老を頂きご満悦でした。
夜市散策後、台湾鶏料理の老舗、鶏家荘で名物の三色チキン、鶏家豆腐、チキンロール、名物のプリンなどを食しました。非常に人気の高い老舗店ですので台湾に行かれる機会がある方は是非、食してみてはいかがでしょうか。(秘書白石報告)

●ホテルへ戻り明日の打合せ

明日の打合せを行い、それぞれ就寝となりました。


55()晴れ時々曇り こどもの日

[台湾出張2日目]

●0800〜日本台湾交流協会との朝食懇談会/ホテルロイヤルニッコー・タイペイ

日本台湾交流協会との朝食会がホテルロイヤルニッコー・タイペイで開催され最近の日台関係と台湾情勢に関してヒアリングを行いました。ヒアリング内容は台湾内政、日台関係、対外関係、経済関係などです。(秘書白石報告)

●1030D.SIGNAL視察/国立バイオセンター

最先端の幹細胞治療の培養などを視察するためにDr.SIGNALを訪問しました。Dr.SIGNALは世界をリードして自動細胞生産ラインの構築とCDMOサービスの提供を主なビジネスモデルとするバイオテクノロジー企業で秘心吾博士から幹細胞治療培養の説明を受けた後、白衣に着替えてラボの中に入り幹細胞の培養工程を実際に見学しました。現在、認められている幹細胞は歯槽骨(歯の骨)であり培養システムにセットすると6週間後に完成し注射をすることによって自然に固まるとのこと。インプラントが出来なかった患者さんがこの幹細胞で歯槽骨が蘇りインプラントが出来るようになるとのことです。(秘書白石報告)

●1220〜昼食懇談会/種福園本店

昼食は北方料理、瀋陽地方の家庭の味が堪能できるレストラン種福園本店にお邪魔しました。日台関係についてお話をいただいたのは陳宗彦元政府報道官です。中華風のもちもちとしたクレープに牛肉と豆干の炒め物などを乗せて巻いて食べる料理を堪能しました。店内もカジュアルな雰囲気で入りやすいお店でした。(秘書白石報告)

●1500〜簫美琴台湾副総統謁見/台湾総統府

自民党台湾訪問団(団長・西村康稔衆議院議員、田中和徳衆議院議員)の一員として簫美琴台湾副総統に謁見して参りました(松本純は神奈川県日華親善協会会長として参加)。
松本は簫副総統に対して自己紹介をさせていただき「横浜中華街を中心とする神奈川県日華親善協会の会長を仰せつかっています。生まれて75年、約30年の議員生活を終えたところです。残された人生を台湾の方との交流を活発にするべく精進してまいりたい」と述べました。

以下、台湾総統府公式文(翻訳)
5日午後、簫美琴副総統は、西村康稔元経済産業大臣と会談し、日本政府が地域の平和と安定に配慮していることに感謝の意を表しました。西村元大臣は、また地域の平和、安定、安全、繁栄は台湾と日本の長期的な共通の利益であると述べた。また、今後も引き続き協力を行い、投資や経済などの様々な分野で二国間関係を深めていきたいと考えています。
副総統はスピーチの中で本日、総統官邸に多くの新旧の友人を迎えることができて大変うれしく思うとともに、台湾に対する自民党訪問団の長期的な関心と支援、そして長期的な友情に感謝したと述べました。
副総統は、また代表団が昨日、高雄に行き、安倍元首相の銅像に敬意を表したと述べました。安倍元首相はかつて「台湾に何か問題があるとすれば、日本にも問題がある」と提唱し、台湾と日本の全面的な関係に非常に具体的な貢献をしており、多くの台湾人は今でも彼に敬意を表したいと考えています。安倍元首相の昭恵夫人も数日前に台湾を訪問した際、地域の平和、安全、繁栄が台湾と日本の長期的な共通の利益であると信じて上記の立場を繰り返した。
副総統は、最近、世界情勢にいくつかの変化が生じており、それが地域の平和と安定に影響を与えており、特に台湾海峡とその周辺状況に対する様々な侵入活動が台湾と日本の共同の注意を必要としていると指摘しました。
石破茂首相はトランプ大統領就任初期のトランプ大統領の訪米において、台湾海峡の平和と安定に対する懸念を表明し台湾海峡の一方的な現状変更の試みに特に反対を表明した。日本政府が地域の平和と安定に関心を寄せていることに感謝するとともに、台湾と日本は協力し引き続き協力していく必要があります。
副総統は、現在、経済状況にいくつかの変化があり、台湾と日本は先週も米国側と相互関税の交渉を続けており、すべてがスムーズに進み、業界と米国との協力の最大限の利益のために努力することを願っています。このような困難な時期にあっても今後も台湾と日本との協力が継続され投資や経済などの様々な分野で二国間関係が深化することを楽しみにしています。(秘書白石報告)

●1610〜台湾博物館〜西門など視察

台湾博物館に見学に伺ったところ休館日と分かり残念ながら博物館前で写真だけという事になりました。その後、台北の原宿、渋谷と言えば西門と言われるくらい台湾の10代から20代の若者が多く集まるエリアを散策しました。(秘書白石報告)

●1740〜頼清徳台湾総統謁見/台湾総統府

頼清徳台湾総統との謁見が総統府で行われました。
松本は自己紹介で、「今日はお招きをいただきありがとうございます。これまで安倍元総理、麻生元総理らに育てていただいてきましたが、国会議員として30年勤め上げこの度議員を引退をいたしました。しかし今後も政治活動は続け、神奈川県日華親善協会会長としての職責を全うしたい」との趣旨の挨拶を述べました。

以下、台湾総統府公式文(翻訳)
頼清徳総統は本日5日午後、西村康稔元経済産業大臣と会談し、日本政府が国際フォーラムで台湾を引き続き主張していることに感謝するとともに台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて表明しました。西村元大臣は中国の近隣諸国へのグレーゾーンの侵入に直面して同じく第一列島線にある台湾と日本は協力を強化し共同で対応すべきだと述べた。また両国が半導体、水素エネルギー、人工知能、ドローンの分野で協力し「非赤色サプライチェーン」のレジリエンスを共同で強化し互いの発展を促進することが期待されています。
特に西村康稔議員は、安倍晋三元首相から厚い信頼を得ており、長年にわたり閣僚として要職を歴任されてきましたが今回17年ぶりの訪問となりますので台湾の進歩と発展を感じていただけると思います。田中和徳議員と副議員の方々は長年にわたり台湾と日本の地域交流を推進してきましたが今回の訪問をつうじて訪問客の台湾に対する理解を深めていただきたいと考えています。
頼総統は、ここを訪れた訪問団の多くが昨日、安倍元首相の銅像に敬意を払うために高雄に行ったと述べました。安倍元首相は「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを提唱する先駆者で、かつて「台湾に何か問題があるなら日本にも問題がある」と発言し台湾を勢力的に支援した。先見の明のあるマクロな国際的視野を持つ政治家であり台湾の人々の心に深く感銘を与え尊敬してきました。
頼総統は近年、中国は台湾海峡、東シナ海、南シナ海、日本海で軍事演習を続けており近隣諸国のグレーゾーンに侵入し地域の平和と安定を深刻に損なっていると述べた。台湾と日本は、自由、民主主義、人権といった普遍的価値を共有するパートナーであり海洋安全保障、社会強靭化、グレーゾーン侵入への対応における協力を強化することができればインド太平洋地域の平和と安定を確保し我々が大切にしている民主的制度を守るための抑止力を発揮できると考えています。
また頼総統は、本年の日米首脳会談、G7外相共同声明、NATO二国間会合等において台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認し台湾海峡の現状変更のための武力の行使や威圧に反対を表明した、本年の日米首脳会談、G7外相共同声明、NATO二国間会合等において台湾に対する継続的な提言を行っていることに感謝の意を表明しました。
台湾は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTTP)への参加に積極的に努力するだけでなく日本との経済連携協定(EPA)の早期締結を交渉し半導体、水素エネルギー、人工知能、ドローンの分野での双方の産業協力を拡大し、より緊密な経済パートナーシップを確立し「非赤色サプライチェーン」のレジリエンスを共同で強化し相互の繁栄と発展を促進すること望んでいます。
最後に頼総統は再び訪問団を歓迎し具体的な行動で台湾と日本の関係を深めたことに感謝し台湾への支持を示し、訪問の完全な成功と実りある収穫を願った。(秘書白石報告)

●2030〜華南銀行・林知延副頭取との夕食懇談会/アンバーホテル

同道している佐々木紀衆議院議員のご友人である華南銀行・林知延副頭取と主に台湾国内の金融・経済及び中国、米国の相互関税に関して意見交換をしました。(秘書白石報告)


56()曇り一時雨 振替休日

[台湾出張3日目](最終日)

●0830〜内政部・劉世芳部長面会/内政部貴賓室

内政部、劉世芳部長と面談をして参りました。内政部は日本の省庁に例えると総務省にあたります。今回は特に災害対応に関して意見交換を行いました。台湾内政部では大地震などに備えて社会全体防衛強靭化委員会を組織しており次の5つの役割を担っている。
1,民力の訓練と運用
 ・各民間防衛要員の役割の対応力を徐々に強化
 ・将来的には中レベルの対応力を約5060万人に高める
2,物資の整備と生活維持の運送システム
 ・国民の基本的な生活ニーズの維持
 ・食料や生活に不可欠な物資の安全供給の確保
 ・「戦略物資の調達・生活維持の運送仕組み」の構築
3,エネルギーと主なインフラの確保
 ・主なインフラ施設の確保
 ・電力や電力供給に必要なエネルギーの確保
 ・主なライフライン、軍事作戦力、政府事業の継続
4,社会福祉医療ネットワークと避難施設
 ・緊急事態において兵士、民間人、負傷者が有効なケアを継続的に受けられるようにする
5,情報通信・運送と金融ネットワークの確保
 ・主な情報通信、運送、金融機能の強靭化
 ・信頼できる通信プラットフォームの構築
 ・政府の継続的な運営
 ・軍事と情報通信の支援
話を伺って感じたことは台湾は支援サービス法があり災害発生時に民間団体を積極的に活用して自分たちのコミュニティは自分たちで守ることを基本としている。自分たちで守れないと判断したときに県や、市に頼るとのこと。
災害発生時に民間団体は人の派遣は勿論のこと、被災者に対して資金援助もするという。
日本では政府が激甚災害指定をしなければ補助、助成が受けられないが台湾は災害発生時に民間団体が行える点に法律の違いを感じた。
いずれにせよ日本、台湾は大規模地震が多く発生する地域であり、これからも両国で過去の震災対応の情報交換を含めて連携をしていくことを確認した。(秘書白石報告)

●1000〜外交部・陳立国常務次長面会/外交部会議室

外交部、陳立国常務次長と面会をし日本と台湾国内のそれぞれの状況について意見交換をしました。松本からは「神奈川県内で各地区において地方議員がメインとなり日華の議連を立ち上げているが、まだ数が少ないので、これからもっと増やして両国の議員外交を積極的に展開できればと考えている」と述べました。陳常務次長はTSMCの件で日本の手助けがなければサプライチェーンになれなかった。これから国会議員、政府関係者、企業、若い方達にもっと台湾にお出でいただき交流を深められればと述べられました。(秘書白石報告)

●1130〜最後の昼食会/京鼎耬

昼食は京鼎耬に伺いました。ここの名物は小籠包で入店すると職人さんたちが小籠包を包んでいる様子を見ることが出来ます。店内は1階と地下があります。日本では見かけないシジミの醤油漬けが絶品でお勧めです。ウーロン茶小籠包、スープに付けて食べる小籠包などを食しました。(秘書白石報告)

●1300〜忠烈祠〜LaLaport南港視察

昼食後、まず忠烈祠を見学してまいりました。ここは抗日戦争や共産党軍との戦いで国民党政府のために戦死した約33万人の英霊を祀り1969年に創建。廟は軍管理下にあり公開時間内は正時ごとに正門の衛兵の交代式があります。忠烈祠を後にしてオープンしたばかりのLaLaport南港へ行ってまいりました。日本にあるLaLaportはショッピングモールのタイプが主流ですが、こちらは高層ビルの中にあり日本の有名企業も多数、出展していました。ロピア、ユニクロ、無印良品、ニトリ、ダイソー、ABCマートなど。(秘書白石報告)

●1445〜衛生福利部・呂建徳政務次長面会/衛生福利部会議室

日本の厚労省にあたる衛生福利部・呂健徳次長と面会をし台湾国内の医療保険制度などに関して意見交換をしてまいりました。松本からは日本の国民皆保険制度の話をし台湾の医療保険制度に関してヒアリングをしたところ次の様に回答があった。健康保険省が毎月の給与から保険料を徴収するとのこと。年齢を問わず赤ちゃんから高齢者の方まで支払うが金額はそれぞれに分類されている。60歳以上は県や市から補助があり月額4,400円の保険料徴収。台湾の1年間の医療費は約4兆円であり日本は約47兆円(令和4年度)台湾国民の90%は政府の医療保険制度に関して満足をしているとのこと。今後もお互いに情報交換をして協力する旨を確認し面会は終了した。(秘書白石報告)

●1805〜松山空港出発/C1222

すべての日程を終了し後は飛行機の出発を待つだけ。駆け足のあっという間の3日間でしたが多くの皆様との交流が出来ました。サポートしていただいた各部署の皆様に感謝申し上げます。神奈川県日華親善協会会長としてさらに尽力して参りたいと存じます。

●2205(日本時間)〜羽田空港到着

全日程を終了し、無事に帰国しました。お世話になった皆様に感謝でいっぱいです。ありがとう!そして、お疲れ様!

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