松本純の会議録

2000(平成12)年2月28日

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第147国会-衆議院予算委員会第四分科会-2号

平成十二年二月二十八日(月曜日)
  午前十時開議

出席分科員
主査 自見庄三郎君    
  中川 秀直君 桧田  仁君  
  松本  純君 山口 俊一君  
  大畠 章宏君 小林  守君  
  五島 正規君 春名 直章君  
  吉井 英勝君    
       
兼務 鍵田 節哉君

兼務

藤村  修君
兼務 上田  勇君

兼務

保坂 展人君

  …………………………………

出席国務大臣
厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
労 働 大 臣 牧野 隆守君

出席政府参考人
厚生政務次官 大野由利子君
労働政務次官 長勢 甚遠君
警察庁生活安全局薬物対策課長 折田 康徳君
外務大臣官房審議官 赤阪 清隆君
外務省経済協力局長 飯村  豊君
厚生大臣官房審議官 堺  宣道君
厚生省健康政策局長 伊藤 雅治君
厚生省保健医療局長 篠崎 英夫君
厚生省保健医療局国立病院部長 河村 博江君
厚生省生活衛生局水道環境部長 岡澤 和好君
厚生省医薬安全局長 丸田 和夫君
厚生省社会・援護局長 炭谷  茂君
厚生省老人保健福祉局長 大塚 義治君
厚生省児童家庭局長 真野  章君
厚生省保険局長 近藤純五郎君
厚生省年金局長 矢野 朝水君
労働省労働基準局長 野寺 康幸君

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参考人外の出席者
厚生委員会専門員 杉谷 正秀君
労働委員会専門員 渡辺 貞好君
予算委員会専門員 大西  勉君

 ─────────────

分科員の異動

二月二十八日
辞任      補欠選任
石川 要三君 桧田  仁君
中川 秀直君 松本  純君
五島 正規君 大畠 章宏君
春名 直章君 古堅 実吉君

同日
辞任      補欠選任
桧田  仁君 石川 要三君
松本  純君 中川 秀直君
大畠 章宏君 小林  守君
古堅 実吉君 吉井 英勝君

同日
辞任      補欠選任
小林  守君 五島 正規君
吉井 英勝君 春名 直章君

同日
辞任      補欠選任
春名 直章君 金子 満広君

同日
辞任      補欠選任
金子 満広君 山原健二郎君

同日
辞任      補欠選任
山原健二郎君 春名 直章君

同日
第三分科員上田勇君、第七分科員保坂展人君、第八分科員鍵田節哉君及び藤村修君が本分科兼務となった。

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本日の会議に付した案件

平成十二年度一般会計予算
平成十二年度特別会計予算
平成十二年度政府関係機関予算
(厚生省及び労働省所管)午前十時開議

 ――――◇―――――

○松本(純)分科員
 自民党の松本純です。早速質問に入らせていただきます。
 本年四月からいよいよ介護保険制度がスタートするという重要なときに当たり、先日の厚生委員会における所信において、丹羽厚生大臣は、「豊かさの中の不安の時代とも言われる現在、国民が真に豊かに暮らせるよう、社会保障制度について、国民の新たなニーズに対応し、将来にわたり安定的なものにしていくことが必要であります。」とお述べになりました。
 大臣の言う、国民が真に豊かに暮らせるとはどのようなイメージなのか、基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○丹羽国務大臣
 我が国の社会保障は、昭和三十六年にいわゆる国民皆保険、皆年金が達成をいたしまして以降、社会保険方式を中心として、国民一般を対象とした制度定着を図ってきており、現在、社会保障に要する費用は年間六十九兆円に達しております。
 今後、少子高齢化社会の進展に伴いまして、社会保障に必要な費用の増大が避けられない中で、社会保障制度が今曲がり角に来ていることも事実であり、大変難しい問題ではございますが、避けて通れない課題と考えておるような次第であります。その改革のためには、国民の皆様方の御理解をいただきながら、一歩一歩進めていかなければならない、こう考えております。
 このため、社会保障制度を、国民の新たなニーズにも対応しつつ、将来世代の負担が過重なものにならないようにしていくことが何よりも大切である、こういう前提に立ちまして、年金制度を将来にわたって安定し、安心して信頼いただけるものにしなければならない。それから、だれもがいつでもサービスを受けられる、効率的な、世界に冠たる医療保険制度を今後とも維持していかなければならない。
 さらに、長寿化により深刻化した介護問題に対応するため、委員も御指摘がございましたけれども、この四月から介護保険制度がスタートするわけでございます、この介護保険制度について国民の皆さん方の理解と合意を得られるように努力していかなければならない。こういうような、国民生活の安定を図り、安心をもたらすためのセーフティーネットとしての社会保障制度の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、二十一世紀の社会保障制度につきましては、制度横断的、総合的に検討する必要があるのではないか、こういう御指摘がございまして、総理のもとに設けられました社会保障構造の在り方について考える有識者会議の御議論も踏まえまして、私としては、国民に信頼され、将来にわたって安定的、効率的な制度とするよう努力してまいる決意でございます。

○松本(純)分科員
 次に、医療サービスの質の向上のための診療報酬上の評価についてお尋ねします。
 医療及び医療保険制度の抜本改革の柱の一つである医療提供体制の見直しについて、医療審議会の答申が出ました。この答申に基づいて第四次医療法改正の準備が進められていると思いますが、医療提供体制の整備、強化、合理化のためには必要な改革であると思います。
 しかしながら、審議の経過、例えば医療従事者の配置問題について見ると、医療の高度化、保険財政の厳しさが増す中での医療経営者の考え方と、医療サービスの充実のために懸命に努力を続けている勤務医、看護婦、薬剤師などの医療従事者との考えには大きな隔たりがあるように思われます。
 医療保険制度の抜本改革のため医療提供体制の効率化、合理化を急ぐことも大切ですが、国民の医療ニーズに適切にこたえるため、医療サービスの質の向上という観点からも検討が必要と思いますが、いかがお考えでありましょうか。

○丹羽国務大臣
 今、医療改革というのは、委員御指摘の医療提供体制を含めまして四つの柱を中心にして議論が進められているところでございます。この中で、国民にとって、患者にとって一番身近な問題は医療提供体制ではないか。このような意味において、まず、この医療提供体制を充実させていくということが大変重要なことである、このように私は認識をいたしておるような次第でございます。
 同時に、この医療提供体制の中でも、先ごろ審議会の答申を得まして、そして与党の皆さん方の御理解を得ながら、今度の国会に提出を予定いたしておりますのが医療法の改正でございます。
 その中で、看護職員の配置の問題等につきまして、率直に申し上げて、審議会の中で少数意見が出されたことも事実でございますけれども、私どもは、五十年ぶりの改正となるわけでございますけれども、良質な医療を確保しながら、そして、今後の国民の皆さん方の療養環境を改善するという立場から、ぜひとも御理解をいただきながら、今国会の提出を目指しているところでございます。

○松本(純)分科員
 次に、診療報酬におけるリハビリテーションの適正な評価についてお尋ねをします。
 私の地元の横浜では、昨年、全国で初めて、急性期から治療とリハビリテーションを行う脳血管疾患の専門病院がオープンされました。この専門病院では、病院に質の高い医学的リハビリテーションを導入することで、患者の予後の状態も向上し、後遺症も最小限に抑えることが可能となったと聞いております。このことにより、社会的費用についても、寝たきりや片麻痺の患者を最小限に抑えることも可能となりました。しかしながら、現在の診療報酬では、リハビリテーションの評価が低く、リハビリテーションを行っても収支のバランスがとれない状態とのことです。
 したがって、診療報酬でリハビリテーションについて適正な評価を行い、導入する病院をふやす検討をしていただきたいと考えるのですが、当局の見解をお伺いさせていただきます。

○近藤政府参考人
 診療報酬の関係でございますけれども、診療報酬上、リハビリテーションにつきましては、総合リハビリテーションを初めといたしまして、理学療法でございますとか作業療法、言語療法等に対しまして評価を行ってきておりまして、逐次引き上げ等の評価の充実を図っているところでございます。
 脳卒中でございますとかあるいは大腿骨頸部骨折等の入院患者につきましては、早期に急性期リハビリテーションを開始いたしまして、引き続いて機能の回復を目的とした回復期のリハビリテーションを集中的に行いたい、こういうことで、先生御指摘のように寝たきり老人とかの要介護者を減らす、こういう目的を持ちまして、現在、中医協で御議論いただいているわけでございますけれども、回復期のリハビリテーションにつきまして病棟の入院料みたいなものを設けたらどうか、こういうことで最終的な詰めを行っているところでございまして、その結果を踏まえまして対処してまいりたい、こういうふうに考えております。

○松本(純)分科員
 次に、療養型病床群への転換促進について医療の観点からお尋ねをします。
 高齢化が進む中で、介護保険制度が平成十二年度から開始されますが、医療サービスを提供する療養型病床群が都市部で不足しています。これは、療養型病床群とするためには、患者一人当たりの病室面積が、一般病院でそれまでの四・三平方メートルに比べ六・四平方メートル、また廊下幅も、それまでの一・二メートルに比べ一・八メートルと広く、かつ機能訓練室や食堂なども配置しなければならないことになっています。しかし、大都市圏では土地が高く、建物を建設するコストは非常に高額となっており、また一方で、収入は全国ほぼ一律となっていて、病床が不足することが確実な状況であると思われます。
 そこで、一般病床から療養型病床群への転換を促進するための補助制度をさらに充実強化し、療養型病床群への転換促進を検討していただきたいと思うのです。なお、新規の建設は、医療法により病床過剰地域においては病床規制があるためにほとんど不可能な状態であるということを踏まえて、お答えをいただきたいと存じます。

○伊藤政府参考人
 療養型病床群の整備につきましては、我が国は、全体としては病床が過剰であるという前提を踏まえまして、さらに、都道府県におきまして医療計画上の規制を行っていることを前提といたしまして、平成五年度より医療施設の近代化整備事業の中で、介護保険制度の実施に向けまして療養型病床群の転換整備を図る観点から、平成九年度より療養型病床群の転換整備事業を補助対象に追加したところでございます。
 さらに、平成九年の医療法の改正によりまして診療所の療養型病床群が制度化されたわけでございまして、平成十年四月からは病院のみならず診療所におきましても療養型病床群の設置を可能としたところであり、診療所が療養型病床群を設置する場合もこの補助対象としたところでございます。
 さらに、平成十年度の補正予算におきましては、療養型病床群の転換整備に係る面積要件の緩和を行ったわけでございまして、これは病棟一床当たり十八平米という要件をここで緩和したわけでございます。
 今後とも、これらの補助制度を活用いたしまして、都市部、地域のそれぞれの整備状況を見ながら、不足地域におきましては、この制度を利用いたしまして転換整備の促進を図っていくべく都道府県を指導してまいりたいと考えておるところでございます。

○松本(純)分科員
 次に、国立病院の統廃合についてお尋ねします。
 国立病院が統廃合を行う場合、廃止する病院については、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律で資産の減額譲渡を行うなど促進を図っています。
 地方都市では、購入価格も低く、耐震補強工事や介護施設への転換工事についてもその分対応が可能となっていますが、大都市圏では地価が高く、仮に五割引きになっても相当の金額となり、引き受ける側にとっては財政負担が大きくなってまいります。
 促進するためにも、この法律のほかに、新たに大都市圏に対する補助制度の創設をしていただく必要があるのではないでしょうか。それは、例えば耐震補強や大都市圏で不足している療養型病床群等の介護施設に転換するための補助制度や、あるいは受け入れやすい状況になるような施策の充実を考えていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。

○河村政府参考人
 国立病院等の再編成に伴う特別措置法では、国立病院・療養所を移譲する際に、職員の引き継ぎ割合に応じて、資産を譲渡価格の一定割合で減額した形で譲渡をいたしておるところでございまして、これによりまして、地価が高い都市部におきましては多額の減額がなされるわけでございますし、地価が低い地域においては低額の減額が行われるという実態がまずございます。
 それから、移譲後においても医療を行うのに支障を来さないように、譲渡前に施設整備予算の範囲内で必要最小限の改築あるいは修繕を実施いたしますとともに、譲渡後におきましても同様の補助制度があるわけでございまして、これらを療養型病床群への転換に活用されているケースも、これまで聞いている限りでは十六ケースほどございます。
 ただ、本格的には、建てかえ整備でございますとかあるいは対震補強など、そういう意味での機能強化を図るということは、国立病院・療養所の機能を引き継ぐという移譲の趣旨に合わないのではないかというふうに考えておるところでございます。

○松本(純)分科員
 次に、インフルエンザ予防接種についてお尋ねをします。
 昨年の今ごろ、全国の老人ホームなどでインフルエンザにより高齢者の方が多数亡くなられ、問題となりました。今シーズンは厚生省でも早い時期に対策を呼びかけられたようですが、昨シーズンに引き続き今シーズンも予防対策の中心となるワクチンが全国的に不足したことが大きく報道されておりました。
 私の地元横浜市でも、昨年二月に、市内の老人病院で高齢者の方がインフルエンザにより亡くなられました。このような事態を受けて、市内の病院では、市の呼びかけに応じて、院内感染を防ぐために、老人病院などを中心にインフルエンザの予防接種が広く行われました。このほかに、希望される方には医療機関の外来で予防接種が行われましたが、今シーズンのワクチンの生産本数では十分に対応することができずに、横浜市でも、病院や診療所を初め市の衛生局や保健所などに問い合わせが殺到するとともに、予防接種を希望しても接種できなかった方が多数いらしたと聞いております。
 厚生省では、現在、予防接種法の改正を検討されており、その改正の中で、高齢者に対して法律に基づき公費でインフルエンザワクチンの接種を行うようにするとのことですが、そうした場合、今まで以上に接種を希望される方がふえると考えられます。
 今シーズンは三百四十五万本と、昨シーズンの百五十三万本に比べ大幅な増産を行ったものの、乳幼児、児童を中心に不足が発生したと聞いております。来シーズンは、高齢者はもちろんのこと、乳幼児、児童についても希望者には接種できるようにワクチンの確保を検討すべきだと考えますが、その対応をどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねします。

○丸田政府参考人
 先生御指摘のように、高齢者のインフルエンザに伴います死亡や重症化が増加いたしまして、接種希望者の増加が見込まれたため、今シーズンは昨年の二倍以上の三百四十五万本のワクチンが製造されたところであります。しかしながら、予想を上回る需要の急増が見られましたため、厚生省といたしましては、医療機関あるいは卸売業者、都道府県などにワクチンの有効利用、活用が図られますようにいろいろな依頼をしてきたところでありますが、現に十分なワクチンが確保されていないという面があったところでございます。
 ワクチンにつきましては、御承知のように、製造から供給に至るまで四、五カ月かかりますことから、その需要を製造前の段階に適切に見込むというのはなかなか難しい面もございますが、来シーズン以降は、予防接種法の改正方向も踏まえまして、より需要に見合う量のワクチンをできる限り円滑に供給できますように、関係者の方を入れた検討会を設置いたしまして、ワクチン製造業者、卸売業者、医療機関などの関係者の方々とともにその方策について検討を進めてまいりたいと思っております。

○松本(純)分科員
 次に、高齢者の健康づくりについてお尋ねします。
 とかく暗いイメージで語られがちな高齢社会ですが、それを打破して明るく活力ある高齢社会とするためには、高齢者自身が元気で社会を支える一員として活躍できるような施策を積極的に展開することが必要であると考えます。
 与党三党の申し入れを受けて、昨年末に丹羽大臣のリーダーシップのもとで策定されたゴールドプラン21においても元気高齢者づくりの観点が強く打ち出されているものと評価していますが、このゴールドプラン21が、二十一世紀初頭の高齢者施策の大きな全体的な方向性を示すものとして老人保健事業第四次計画が挙げられるのではないかと思います。
 高齢化に伴い老人医療費のさらなる増大も予想される中で、こうした事業を地域において積極的に展開することが、高齢者を健康にし、ひいては老人医療費の伸びも抑えることにもなるのではないでしょうか。医療保険の抜本改革を考える際には、かかった医療費をだれがどう負担するかという観点だけでなく、いかにして医療費がかからなくて済むようにするかという観点も大事であり、この老人保健事業第四次計画にもそうした役割が期待されるのではないかと思います。
 そこで、老人保健事業第四次計画においては高齢者の健康づくりのため具体的にどのような取り組みを行うこととしているのか、お尋ねします。

○大塚政府参考人
 ただいまお話がございましたように、昨年末に策定をされましたゴールドプラン21におきまして、今後の行政施策の基本的な方向の一つが活力ある高齢者像の構築ということだろうというふうに考えまして、それを基本に据えておるわけでございます。
 このために、健康づくりあるいは介護予防事業といったものを積極的に推進するということが大事になってくるわけでございますけれども、その柱の一つといたしまして、平成十二年度を初年度といたします老人保健事業の第四次計画というのを策定いたしました。今後これを推進するということにいたしております。
 具体的に少し内容について触れますと、がん、脳卒中、心臓病、あるいは糖尿病といった生活習慣病の予防のために、その危険性の大きい方につきまして個別の健康教育というものを導入する、これを実施するといった生活習慣の改善の支援というのが一つございますし、また、要介護状態となることを防止するという観点から、機能訓練事業にも積極的に取り組むことといたしております。
 さらには、疾病に罹患をするあるいは要介護状態になる危険性なり、あるいはサービスの必要性を把握し評価するといった健康度評価といったものも実施する予定でございます。
 こうした老人保健事業第四次計画の推進に当たりましては、現在検討中の健康日本21計画との整合性なども視野に入れ、また、さまざまな自治体の協力も得るということで健康保険組合などの実施する保健事業との連携というのも図りながら、全般的に、総合的に施策を進めてまいりたいと考えております。

○松本(純)分科員
 次に、高齢者医療制度改革についてお尋ねします。
 安心感を持って国民が生活し、仮に病気になっても不安にさいなまれないようにするためには、現在の国民皆保険体制を維持することが必須であります。その一方で、少子高齢化が進化する中で、医療費を国民がどのように支え合うかは、我が国における二十一世紀の社会保障のあり方を考える上で避けて通れない問題であります。
 丹羽大臣におかれましても、このままでは我が国の国民皆保険制度は座して死を待つのみとでもいうべき危機感を共有されており、これまで、また、これからも医療保険改革に取り組んでいかれるものと確信いたしております。特に、引き続き増大が見込まれる老人医療費をどのように負担するかは、高齢化のスピードを考えると焦眉の課題であり、丹羽大臣の強力なリーダーシップが期待されております。
 ここで、高齢者医療制度改革に向けての丹羽大臣の御決意を伺いたいと存じます。

○丹羽国務大臣
 今、国民医療は我が国でざっと三十兆円でございますが、そのうち三分の一、十一兆円を高齢者の皆さん方が占めておる、こういうことでございまして、制度全般の見直しというものが指摘されておるわけでございます。これにつきましては、これまでさまざまな意見がございまして、まだ意見の集約に至っておらないことがまず第一点でございます。
 それから、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、この四月から介護保険制度がスタートする。片っ方で介護保険、片っ方で高齢者医療保険制度だということは、現場の混乱などを考えますと現実的になかなか難しいのではないか。そういうこともございまして、いずれにいたしましても、省内に検討チームを設けて、平成十四年を目途にいたしまして精力的に検討を進めていきたいと思っております。
 なお、今回の平成十二年度の予算で、これは健保法の改正の中でお願いをすることになりますけれども、懸案の高齢者の定率負担を、上限つきでございますけれども導入することができたわけでございます。これは、いわゆる高齢者の医療改革に向けての環境整備の第一歩とお考えいただければ幸いだと思っております。

○松本(純)分科員
 高齢者の一部負担についてお尋ねをします。
 今回の見直しにおいて、老人保健制度のスタートした昭和五十八年二月以来続いてきた定額負担制から十七年を経て定率一割負担が導入されることとなるわけであり、お年寄りの患者の方々にとっては大きく仕組みが変わることに違いなく、お年寄りに納得して負担をしていただくためには、どうしてこのような見直しを行うのか十分に納得してもらう必要があると思いますが、改めてこの見直しの趣旨をお尋ねします。

○大塚政府参考人
 御案内のとおりでございますけれども、現在の高齢者に関する一部負担につきましては、いわゆる定額負担に別途薬剤に関しても定額の負担をお願いしているところでございますけれども、これまで関係審議会あるいは各方面から、例えば、率でございませんので、若年者に比べますとコスト意識という面でどうだろうか、あるいは薬剤一部負担につきましては、制度的にもあるいは事務的にもいささか複雑ではないかといったようなさまざまな御指摘がございました。
 このため、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、今回、高齢者医療制度の見直しのための環境整備の第一歩ということで、薬剤一部負担を廃止いたしまして、あわせて定率負担を導入することとしたわけでございます。これも大臣から申し上げたことでございますけれども、導入に当たりましては、高齢者に過度の負担にならないように定額の月額上限というものを設けるというような措置を講じようと考えているところでございます。

○松本(純)分科員
 次に、高齢者の実効負担率についてお尋ねします。
 今回の定率一割負担制の導入に際しては、高齢者に過度な負担がかからないよう上限を設けるとのことではありますが、お年寄りの間には、定率負担の導入ということで急激に負担がふえるのではないかという不安もあると思います。この見直しの後の高齢者の実効負担率がどのようになると見積もられていらっしゃるのかをお尋ねしたいと思います。
 また、引き続きもう一点、周知徹底、広報についてもお尋ねをさせていただきたいと思います。
 法案審議もまだ始まっていない段階ではありますが、これまで伺ったような今回の見直しの趣旨や内容について、施行までにお年寄りへの広報を怠りなく行うべきと考えますが、その御所見もあわせてお答えをいただきたいと思います。

○大塚政府参考人
 今回の見直し案におきましては、高齢者の方々に多大な負担を生じないようにということでございますが、確かに仕組みが変わるものでございますから、そういう意味での不安が生じないように私どもも十分注意をしてまいります。
 まず第一点目の御質問の実効負担率でございますが、現在の制度、すなわち、定額負担プラス別途の薬剤負担を合わせまして、私どもの試算では、実効負担率が七・七%程度と見積もっております。今回の改正案によりますと、〇・二%程度の上昇はございますけれども、七・九%ということでございますので、現行制度と大きな変化はないものというふうに考えております。
 また二点目の御質問でございますが、高齢者の方々に対する周知徹底、PR、これは不安を生じないようにという点でも大変大事なことだと思っております。実施までの間には、関係団体などとも十分に相談をいたしまして、また行政的にもさまざまな工夫をいたしまして、改正の趣旨あるいは具体的内容などにつきまして御理解をいただきますように最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

○松本(純)分科員
 ありがとうございました。
 質問の時間が終了いたしましたが、今回の改正法を医療改革の第一歩と位置づけるとしても、なお残された課題も多く、かつ、重いと存じます。内閣を支える与党議員の一人として私も努力を惜しみませんが、丹羽大臣が機関車となって強力に議論を引っ張られ、二十一世紀においても国民が安心して頼れる医療保険制度の構築へと導かれますように、政治的手腕と実力に御期待を申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。


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