郵政民営化

2005(平成17)年8月8日(月)

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郵政民営化法案が参院本会議で否決

衆議院解散

2005(平成17)8月8日(月)、参議院本会議で郵政民営化法案が否決され、小泉総理が示唆していた衆議院の解散、総選挙が現実のものとなりました。そこで、郵政民営化に対する私の立場と、いままでの取り組みをお伝えいたします。

私は、衆院本会議で郵政民営化法案に賛成しました。

本会議に望む前に、約百十時間の衆院郵政民営化特別委員会の審議に委員として加わり、自分の判断に確信を持ちました。郵政公社の生田総裁は「中長期的に見たとき経営は次第に厳しくなっていき、安定的な発展は公社法の枠内では残念ながら難しい」と訴えました。将来の国民負担の発生を回避し、今後ともよりよいサービスを享受するためには、がんじがらめの公社から自由な経営が可能になる民営化を早期に実現しなければなりません。経営が傾いてからでは手遅れなのです。加えて、これまで道路公団などの特殊法人等に流れていた三百兆円超の郵貯・簡保資金が、民間で効率的に運用され、我が国経済の活性化にもつながります。緊急にやり遂げなければならない行政改革と財政再建の観点からも「民間活力を引き出す民営化」は、「時代の要請」です。


小泉純一郎・内閣総理大臣記者会見(抄)
於 首相官邸会見室
平成17年8月8日(月)20:30〜20:55

今回の解散は「郵政解散」であります。

郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います。

(写真は最終代議士会にて)

今回の解散は「郵政解散」であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います。

この郵政民営化よりももっと大事なことがあるという人がたくさんいますのを知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるんですか。

国会は郵政民営化必要ないという結論を下したわけですが、私、いまだに郵政民営化、本当に行財政改革をするんだったらば、将来、簡素で効率的な、あんまり政府が関与しない、役所の仕事を民間に開放しようという主張を展開するならば、この郵政民営化はしなければならないものだと思っております。

本当に郵便局の仕事は国家公務員じゃなきゃできないのかと、民間人ではやっちゃいけないのかと。これができないで、どんな公務員削減ができるんでしょうか。どういう行政改革ができるんでしょうか。

自由民主党は郵政民営化に賛成する候補者しか公認しません。いわば、はっきりと改革政党になった自民党が、民営化に反対の民主党と戦って、国民はどういう審判を下すか、聞いてみたいと思います。だから解散をしました。

靖国参拝を争点にする気は全くありません。戦没者に追悼の念を持って、敬意と感謝の誠をささげる。これは、人間の自然な感情だと思っております。


中田宏横浜市長の意見要旨

於 第162国会 (参)郵政民営化に関する特別委員会
平成17年7月29日(金)参考人質疑

○国会議員の時代から、郵政事業はこのままでは国家の損失になってしまうと思い、その改革を主張しつづけてきた

○郵政事業のこれまでの歴史的な意義や財産については肯定的に評価しているが、今後の経営環境等を考えると改革は必須

○改革の推進は民営化であり、民営化にも色々な形があるが、現在の法案は郵政事業のこれまでの公共性に立脚しながらぎりぎりの案を作っており、尊重すべき

○郵政民営化は日本の将来に向けた構造改革の中核といえる重要課題であり、是非今国会で成立させるべき

○郵政事業は、国鉄と比べた場合、両者の経営状態、また国民が接する運営、現象が異なるため国民からすれば悪感情を持つものではないが、政治家が先見の明に立って改革しなければならない


郵政事業の民営化案を検討する私の視点は

国民的議論を通じて
@郵便局ネットワークの有効活用などによる、利用者の利便性の一層の向上が図られる、
A職員がより意欲を持って職務に取り組むことができる、
B国全体の観点からプラスとなる、
このような民営化であることが必要です。


≪資料≫

▼なぜ、いま!

なぜ、いま郵政民営化が求められているのか!(PDF)

▼郵政民営化法案について 平成17年4月4日

 郵政民営化については、昨年9月の「郵政民営化の基本方針」に基づき、2007年4月から民営化し、移行期間を経て2017年4月までに完全民営化するとの方針の下、制度設計を行ってきた。
 同時に4月中の法案国会提出、会期内成立を目指し、与党と精力的に協議を進めてきたところである。
 政府として、これまでの与党との協議結果を踏まえ、主要な論点について以下のとおり取りまとめた。
 政府としては、4月中に法案を国会提出できるよう、今後、具体的な法案作成作業に入るとともに、引き続き与党の御理解を得るよう全力を注ぎたい。

1.郵便局の設置(利便性への配慮)
@郵便局があまねく全国で利用されていることを旨として郵便局を配置することを法律上義務付ける。
A具体的な設置基準は省令で定めるが、特に過疎地については法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定する。過疎地の定義については、省令策定時に十分協議する。

2.一体的経営に対する配慮
(1)経営形態
@郵便貯金銀行、郵便保険会社については、特殊会社とはせず、一般商法会社とする。
A民営化の最終的な姿においては、郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式を完全処分することを基本とする。このため、持ち株会社に完全処分義務を課す。
B民営化委員会は、民有民営のため、3年ごとに、適切な検証を行う。
C郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式処分については段階的に行う。

(2)株式持合い
@民営化後の各会社間の株式持合いについては、持ち株会社の下でのグループ経営を可能とするため、移行期が終了した後は、特殊会社としての性格を考慮しつつ経営判断により他の民間金融機関と同様な株式持合いを可能とする。
A移行期間中については、代理店契約の法律上の義務付けと持ち株会社による郵便貯金銀行、郵便保険会社株式の保有により、一体的経営は確保されている。

(3)貯金、保険のユニバーサルなサービスの提供
@円滑な業務運営や健全性確保の観点から郵便貯金銀行(郵便保険会社も同様)へのみなし銀行免許付与にあたり、「自立するまでの間、安定的な代理店契約があること」を法律上義務付ける。
これにより、少なくとも移行期間中は郵便局において貯金、保険のサービスが提供される。
A郵便局会社、郵便会社は「地域貢献事業計画」、「社会貢献事業計画」を策定する。その際、地域の有識者等との意見交換の結果を郵便局会社が尊重する旨を法律上規定する。
その費用を賄うため、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の売却益、配当収入等の一部を「地域・社会貢献基金(持ち株会社に設置)」として活用する。
計画については主務大臣が認可する。
計画の策定と基金の活用により地域のニーズがあれば金融のサービスも提供される。
(注1)基金は運用型とし、規模は1兆円を目途とする。
(注2)持株会社株式の売却益は国に帰属し、財政健全化に活用する。

3.移行期における経営の自由度
@移行期当初は、公社と同じ業務範囲とするが、段階的に拡大し、最終的な民営化においては、民間企業として自由な経営を可能とする。
A具体的には、民営化委員会の意見を聴取し、新会社の業務能力、イコールフィッティングの状況等を勘案した上で、主務大臣の認可により、新規業務を行う仕組みとする。
Bできる限り早く新規事業ができるよう準備を進めるため、準備企画会社(経営委員会)、民営化委員会を準備期間内に立ち上げ、民営化前から検討・準備を進める。

4.システムリスクへの対応
@システム対応については、郵政民営化情報システム検討会議において、専門家の検討を得た上で「暫定対応なら可能」との結論を得ており、2007年4月に間に合わせるよう準備を行う。
A万一のシステムリスクに備え、危機対応スキームを整備する。具体的には、
・新しい経営陣となる経営委員会がシステム対応の上で問題があると判断した場合には、2006年9月までに推進本部にその旨を申し出る。
・専門家の意見を聴いた上で、必要があれば6ヶ月間(2007年10月まで)民営化の時期を延長し、システムリスクを回避する。

5.公的な資格
@現在、郵政後者が提供している郵便の役務のうち、内容証明および特別送達について、民営化後も信用力を確保するため、公的な権限のある新たな資格を創設する。
A具体的な資格者は、郵便会社又は郵便局会社の使用人であって、管理又は監督の地位にあり、上記業務について必要な知識及び能力を有するもののうちから主務大臣が任命する。

6.敵対的買収に対する防衛策
 一般的な商法上の規定を活用し、敵対的買収に対する防衛策(議決権制限株式への強制転換条項)を講じる。

7.税制について
 税制については、新会社への円滑な移行・承継等のための所要の措置を講じる。

 以上に基づき法案を作成する。

▼郵政民営化関連6法案の概要

郵政民営化関連6法案の概要について(PDF)


≪審議状況≫

郵政民営化法案の審議時間 衆議院:約110時間 参議院:約80時間

 衆議院解散

8月8日(月)いよいよ決戦の日 終日禁足

1230〜総務大臣打ち合わせ/大臣室

 

麻生太郎大臣の部屋で、今日の参議院本会議の採決の様子をTVで見ることにしました。12時50分頃大臣室に入った大臣の話を聞くと、今まで45分間にわたり官邸で総理に対する説得を行っていたそうです。その内容は、「解散はすべての議員が準備不足で嫌がっている。回避するには修正案が用意されているので秋の臨時国会で再提出されたら良い。その際、自分がその責任者として誠心誠意審議に取り組む決意がある」。しかし、総理は頑として聞かない。「否決されれば解散」の気持ちに揺るぎはないとのことで説得し切れなかったそうです。この総理の決意に触れたとき、もし解散になっても総理の主張は国民皆さんに理解されるに違いないと直感したそうです。そんな様子を伺いながら、参議院本会議の開会を待ちました。

1300〜参議院本会議で郵政法案否決/参本会議場

いよいよ本会議が開会されました。緊張する中、陣内委員長から郵政民営化に関する特別委員会の審議の様子が報告され、委員会としては可決すべきものと決せられたことが伝えられました。これは当然のことで、自民党からは賛成者しか委員会委員に任命されていませんから、賛成多数で可決しているのです。その後、「郵政民営化関連六法案」に反対、賛成の討論が行われ、採決に入りました。

本会議では何人の造反議員が出るのか不明です。亀井静香氏によれば確実に否決できると自信を持っていたようです。衆議院のときのような大騒ぎはなく、たんたんと記名投票が進みました。午後1時42分に投票は終了し、白票(賛成)と青票(反対)の数が確認され扇議長から報告されました。結果は賛成108票、反対125票の大差で「否決」されました。自民党内からは22名の反対、8名の欠席・棄権でした。覚悟はしていたものの、いざ現実になると衆議院は「常在戦場」、と言われることがよく理解されました。解散に向けて手続きが進むものと思われます。

1400〜大勇会臨時会/大勇会事務所

大勇会事務所で固唾を呑んで成り行きをTVで見ていた大勇会の同志議員に会い、緊張する中で次回再び国会へ戻ってくるよう誓い合いました。禁足のため自分の会館事務所で、地元事務所と連絡を取り、選挙に向けた準備を指示しました。その間、自民公明の党首会談が行われ9月11日を投票日とすることを決定し、その後引き続き官邸で「臨時閣議」が行われ、全閣僚が解散に賛成署名するよう総理から促されました。細田官房長官以外すべての閣僚から意見が出され、そのうち5名は解散否定的な意見が出されたそうです。最終3名がそれぞれ別室に呼ばれ総理と個別話し合いになり、そこで嶋村農水大臣が署名拒否を表明し、罷免手続きがとられたそうです。結果全閣僚の署名を得た「解散」については天皇陛下の裁可を経て衆議院本会議場に届けられることになりました。

1845〜代議師会→本会議で衆院解散→代議師会

まず、午後6時45分から代議師会が開催され、民主党から小泉内閣不信任案が提出され議題となったことが議運理事から報告されました。代議師会は暫時休憩となり全員本会議場に入りました。

わずかな控室と本会議場の距離ですが、その廊下には報道陣らが詰めかけ、ごった返した状況で前にも進めないような混雑でした。その混雑を掻き分け本会議場に入りました。

河野洋平議長が登壇され、静かに本会議は始まりました。梶山代議士から動議が提出され「小泉内閣不信任案」が上程されました。議長は「議題とすることに異議はありませんか?」、場内からは「異議なし!」。民主党の若手議員らは、これから小泉内閣不信任決議案が審議されるものと期待していたようですが、議長席の後ろの扉が静々と開き、紫の袱紗に包まれた「解散証書」が細田官房長官の手によって、議長席に届けられました。議長、議員は起立し、「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する!」との河野議長の宣言で、一瞬一呼吸遅れて「バンザイ、バンザイ、バンザイ」。私はとてもバンザイという気分にはなれず、議長の緊張した顔を凝視していました。本当に解散してしまった。

再び、代議師会が再開され、小泉総理から最後の挨拶をいただきました。何を言われたか一言一言は記録できませんでしたが、郵政民営化法案を成立させなければ日本の未来はない、行財政改革派断固推進していきたい、国民の皆さんの声を聞きたい、といった趣旨の発言をされたと思います。

1930〜河野洋平議長に挨拶/衆議院議長室

大役を務められた河野議長に挨拶に行きました。ホッとされた様子でした。今国会でよかったなあ、と思い返すことは、河野洋平議長の目の前で、肝臓を提供した河野太郎代議士が小泉総理のサミット報告に対する質疑を行った場面です。親子で議長席、質問席に並ぶことは前代未聞のことではないでしょうか。史上初の親子登壇を果すことが出来たのも、細かい配慮をされた国対筆頭副委員長の鈴木恒夫代議士のお陰ですね。

8月2日(火)1315〜参議院郵政民営化に関する特別委員会/参院第1委員室

本日は小泉純一郎内閣総理大臣出席の下、郵政民営化関係6法案の中間総括質疑です。午後の質疑者は平野達夫委員(民主)、山下八洲夫委員(民主)、櫻井充委員(民主)、草川昭三委員(公明)、谷合正明委員(公明)、吉川春子委員(共産)、近藤正道委員(社民)です。小泉総理からは法案の否決は小泉内閣は退陣しなさいと言うことだと受け止めている、与党の中で倒閣運動の動きがあるのはいかがなものか等の発言がありました。

 7月5日(火)1245〜代議士会、1300〜本会議/本会議場

僅差ながらも、衆院可決!233228郵政民営化法案衆院通過

本日は以下の郵政民営化6法案の衆議院本会議での採決です。
・郵政民営化法案(内閣提出)
・日本郵政株式会社法案(内閣提出)
・郵便事業株式会社法案(内閣提出)
・郵便局株式会社法案(内閣提出)
・独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)
・郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
開会前から自民党内でどの程度の議員が反対するのか、また民主党が不信任案を出すのかどうかなど様々な情報が錯綜しました。開会直前の段階では自民党内で反対票を投じる人間が40人に近づいているとの情報もあり、可決されるか微妙な状況でした。そんな状況の中開会のベルが鳴りました。冒頭、郵政民営化に関する特別委員会二階俊博委員長から報告があり、伊藤忠治議員(民主・反対)、山崎拓議員(自民・賛成)、塩川鉄也議員(共産・反対)、谷口隆義議員(公明・賛成)、東門美津子議員(社民・反対)の討論がありました。この間議場内では反対派への説得工作等が行われていました。そして、議場閉鎖の上記名採決に入りました。何人かの自民党の議員は本会議場を出て行きました。また、自民党の議員が青票(反対票)を投じるたびに野党側からは拍手がおこりました。そして、投票が終了しました。結果は賛成233票、反対228票。僅か5票差での可決でした。

【反対票を投じた自民党議員(敬称略)】(37人)
▼旧橋本派(16人)
綿貫民輔、保利耕輔、野呂田芳成、村井仁、藤井孝男、松下忠洋、今村雅弘、滝実、八代英太、保坂武、小泉龍司、小西理、津島恭一、森岡正宏、古川禎久、森山裕
▼森派(1人)
城内実
▼堀内派(3人)
堀内光雄、左藤章、田中英夫
▼亀井派(12人)
青山丘、亀井静香、平沼赳夫、古屋圭司、衛藤晟一、小林興起、能勢和子、松宮勲、江藤拓、川上義博、武田良太、山下貴史
▼山崎派(1人)
自見庄三郎
▼河野グループ(1人)
亀井久興
▼無派閥(3人)
山口俊一、熊代昭彦、野田聖子

【投票をしなかった自民党議員(敬称略)】(14人)
▼旧橋本派(3人)
佐藤信二、斉藤斗志二、小渕優子
▼森派(1人)
中村正三郎
▼堀内派(5人)
古賀誠、北村直人、望月義夫、近藤基彦、福井照
▼亀井派(1人)
柳本卓治
▼山崎派(2人)
野田毅、渡辺具能
▼高村派(1人)
高村正彦
▼無派閥(1人)
梶山弘志

構造改革反対派をきるべし【河野太郎】

本会議で郵政民営化の採決。
幹事長室は八時半に集合。松宮、小泉の反対派二人はもう幹事長室にこない。状況は極めてやばい。数日前まで反対は13人と言っていたのが、橋本派だけで既に13人の予想。しかし、神奈川は全員大丈夫だ。
十一時半に再び幹事長室に集合。形勢は厳しい。国対のメンバーから十票差で可決か、というよみ。えっ、そんなに余裕があるかなあ。野党は、民主党の高井代議士の産休ともうひとり病欠がいるらしい。
幹事長番の記者さんを捕まえて、どんな感じと逆取材をするが、うーん、反対が二十人ぐらい、欠席が四十人ぐらいとおおざっぱすぎてわからない。逆によみを聞かれたので、五票差で可決かなと答える(結果的に数は当たったが、内容は全く違った)。
本会議が始まる。以外と欠席が少ない。最前列に座っている城内代議士を安倍幹事長代理が呼び出して説得している。野党の討論が終わる頃に、自民党議員数人が退席するが、欠席数は予定を下回る。
採決始まる。いきなり城内代議士が反対票を投じる。野党、盛り上がる。あっという間に反対票が増える。やばい。正確に何人が退席したか、何人が投票していないか把握できない。とうとう自民党の反対票が三十を超える。うーん、選挙かと思ったところで投票終わり。
ここで一発かまそうと、やべえ、否決されたと声を挙げる。その瞬間、僕の前の列で反対票を投じた二人が振り返ったが、顔が引きつっていた。えっ、嘘だろう。いや、二票差でだめだ。そんなはずはないよ。だって、否決だよ...。反対票を入れた議員も、まさか否決とは思っていなかったのがよくわかる。こっちも単にふかしているだけだから、本当のところはわからない。
票が数えられる。白票233票、青票にひゃくにじゅ..やった、可決だ。233対228、五票差。あぶねー。
終了後、幹事長室で、総理はじめ、にこにこ顔。青い札が増えるにつれて、顔が青くなってたぞ、なんて寒い冗談が飛び交う。
ここで断固たる処分が必要だ。これをチャンスに構造改革反対派をきるべし。【河野太郎のごまめの歯ぎしりより】

まったく同感だ!断固構造改革は進めなければならない。【純】

昨晩から緊張状態に入っていた。反対票読みの紙が整理されて最終予想は合計で反対36人、棄権・欠席22人(反対11人分に相当)で47人の反対。46人の反対で否決されるのだから、ひとり、ふたりのひっくり返りで生きるか死ぬかになる。緊張の極に達したのは本日の午前中の説得工作。我が河野グループでは亀井久興議員(反対派の幹部)をのぞき全員大丈夫。さらに麻生大臣らも意見に耳を傾けそうな若手議員と接触し説得へ。周辺の反対派と思われる議員に必死で「郵政民営化問題を倒閣運動にすりかえてはいけない。確実に解散になるぞ!」と訴えるも、彼らは宙を睨んだ目が動かない。決意は変わらないようだ。
本会議場で記名投票採決が始まると、自民党の議員が青票(自分の名前が記載された緑色の木札)を投票すると、場内を揺るがす民主党ら野党議員の歓声が沸き起こる。初めのうちは数を数えられていたが、余りにも多くの反対票が出るので途中で分からなくなった。「これでは、解散だ」と覚悟し、最後から10人目くらいに賛成票の白票を持って投票箱へ向かう。間近で白票・青票の箱を見るとまったく同数に見える。分からない、1,2票差で解散か。本当にやばい。
最終事務局が数えた反対36と予想した数字をひとつ上回る37。棄権・欠席22の予測が14。結果233対228で5票差で可決。ホッとしたが、なんだか分からない怒りがこみ上げてくる。賛成票を投じるには、反対票を投じるよりも苦しい。私だって特定郵便局長さん方との深い関わりを持ってこれまで政治活動をしてきた。そして民営化問題についても皆さんからたくさんの苦言や意見を聞いてきたつもりだ。局長さん方との意見交換を何度も重ね、前回選挙時の小泉マニフェストは無視できないことを説明すると共に、民営化に進むにも@国民へのサービス低下をきたさない、A職員の頑張りがいのある職場づくり、B国益に資する改革、の3つを目指すことに理解を得る努力をしてきた。770兆円を超える国・地方の長期債務残高を考えれば、構造改革は断固推進していかなければならない。その構造改革のひとつが郵政民営化だ。
純粋に民営化のあり方について反対意見を持っていた議員もいたのだが、政党政治であることを忘れてはいけない。またその純粋な彼らがマスコミの言う倒閣運動に加担してしまったような結果になってしまったことが悲しい。審議の場は参議院に移り延長国会の会期末である8月13日までに決着しなければならない。まだまだ緊張は続く。【純】

7月4日(月) 衆議院郵政特委NHK中継

0900〜郵政民営化に関する特別委員会(参考人質疑)〜1200/第1委員室

午前中は参考人質疑です。本日の参考人は福田誠社団法人全国地方銀行協会副会長・専務理事、石井晴夫作新学院大学総合政策学部教授、跡田直澄慶應義塾大学商学部教授、安田浩一ジャーナリストで、それぞれ賛成・反対の立場から意見陳述がありました。その後、葉梨康弘委員(自民)、石井啓一委員(公明)、一川保夫委員(民主)、西村智奈美委員(民主)、佐々木憲昭委員(共産)、横光克彦委員(社民)から質疑が行われました。

1300〜郵政民営化に関する特別委員会(野党締めくくり総括質疑)/第1委員室

109時間25分の審議が終了し、採決、可決!

午後は小泉純一郎内閣総理大臣出席の下野党の締めくくり総括質疑が行われました。質疑者は五十嵐文彦委員(民主)、原口一博委員(民主)、中井洽委員(民主)、塩川鉄也委員(共産)、横光克彦委員(社民)です。これまでの質疑を総括して、郵政民営化広報チラシ、与党による修正案の意義等について質疑がありました。質疑終局後、松野頼久委員(民主)、石破茂委員(自民)、塩川鉄也委員(共産)、桝屋敬悟委員(公明)、横光克彦委員(社民)からそれぞれ賛成・反対の討論があり、採決です。郵政民営化法案等6法案及び4修正案計10法案について採決が行われ、すべて賛成多数で可決されました。衆議院の郵政特委における質疑時間は108時間53分に及びました。

委員会は野党側からの厳しいヤジが飛び交う中で進められました。また答弁が不適切と野党からクレームが入り、しばしば止まってしまいます。その度に委員長席に各党理事が集まり丁々発止の攻防が繰り広げられます。

各委員からの質疑は終局し、各党代表による賛成、反対の立場からの討論が行われました。そして午後5時30分過ぎにいよいよ起立採決となり、10案件に対し賛成の者は、それぞれの案件に10回起立しました。すべての案件は自民・公明両党の賛成多数で可決しました。明日衆議院本会議に委員会の審議結果を報告し、衆議院としての賛否をとることになります。

長い長い108時間を越える郵政民営化に関する特別委員会の審議でした。一日も欠席することもなくすべての審議に参加でき、責任を果すことが出来てほっとしています。昭和35年の安保法案の審議が130数時間ですから、比較すればずいぶん丁寧に審議を進めてきたかが理解していただけると思います。当初は反対派の自民党議員が委員として配属されていましたが、最終段階で賛成派の委員に差し替え。国会は政党政治ですから個人の考えだけで賛否の意思表明は出来ませんので執行部の当然の対応だと思います。しかし、委員会は人数が少ないのでこのような対応が出来ますが、明日に控えている本会議は総会と同じ、全員が採決に望まなければなりませんので、衆議院を通過するか否かはまだまだ予断を許しません。小泉総理は、郵政民営化法案が否決されれば、それは小泉内閣に対する不信任と受け止め、解散も辞さない構えです。緊張して明日を迎えたいと思います。

【河野太郎のごまめの歯ぎしりより】
百時間を超えて戦後三番目とかの長さらしいが、あっきれた。
午前中の参考人招致では、「リスク」という言葉の意味も理解せずに、「消費者にリスクを負わせるんですか」というあきれた質問が民主党の質問者から飛び出す。参考人もさすがにびっくりして、国債を買ってもリスクはあるんですよって、中学校の社会科の授業みたいだ。さらに、あなたの意見は政府の言っていることと同じじゃないですか、こんな参考人を招致した与党の責任は云々、にいたっては、どうしちゃったのという感じだ。
そうかと思うと広報のチラシの見積もりの中のアシスタントフォトグラファーの単価が高すぎるなどというインネンも飛び出てきて、おーい、そういうの決算行政監視でやってくれよ。
ちなみにテレビでは採決は一発で決まったように映っていたが、六本の法案と四つの修正案、合計十回の採決があり、十回も立ったり座ったりしなければならなかった。


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