社会保障/年金制度

2004(平成16)年3月18日(木)

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2004(平成16)年3月18日(木)

●真の年金制度改革を進める議員の会

自民党若手国会議員により議員年金について議論してきました。基本的な考え方は、現行の年金制度は今の時代に受け入れてもらうことはできないと判断し、改革を断行すべしと下記のとおり緊急提言案をつくり、有志に署名が求められました。
私は早速署名しました。

 

緊急提言(案)

 国会議員互助年金制度(議員年金)は、国会法の規定を踏まえ、昭和三三年創設され、今日まで続けられてきた。

 しかしながら、国民全般に年金制度改革に関心が高まる中で、改めて議員年金のあり方が問われている。年金制度の改革を国民の皆さんにお願いする以上、多くの国民の皆さんの目から見て、常識的に考えておかしいと思われるものは是正していかなければならない。

 そこで、我々はこれまでの議論を踏まえ、議員年金についてはこの際廃止すべきと考える。なお、改革の具体的な進め方については、中立的な第三者機関を直ちに設置し、今秋をメドにあるべき姿を決めていく必要があると考える。

 今後、与野党による協議が予定されているが、こうした議論に我々の意見を反映させていけるよう、あらゆる機会を通じて提言をしていくこととする。

以上

平成一六年三月二五日

真の年金制度を進める議員の会 有志一同

井上信治 大野松茂 大前繁雄 大村秀章
奥野信亮 加藤勝信 木村 勉 河野太郎
後藤茂之 菅 義偉 菅原一秀 高木 毅
中島啓雄 中野正志 中山泰秀 西川京子
西村康稔 葉梨康弘 早川忠孝 原田令嗣
平沢勝栄 福井 照 保坂 武 松島みどり
松本 純 森本恒雄 山際大志郎 山本一太

 

 


2004年2月4日(水)

●自民党政調会(年金制度調査会)が与党協案了承

本日午後1時から開催された与党年金制度改革協議会で、下記の通り今回審議された内容が整理され、改めて自民党政調会に示され、了承されました。今後国会で議論されることになります。
この間、議論百出で、特に経済状況の厳しい中、当初保険料を20%まで引き上げる案については経済界からの強い反対があり、結果18%におさまるなど、給付(年金受給)と負担(保険料徴収)のバランスをとることが難しい状況下の結論でした。
勿論、これで将来の不安すべてが解決されるとは思っていません。今後も引き続き、年金制度のあり方についてしっかり研究してまいります。

下記にその合意内容をお伝えしますので、新聞・ニュースなどと共にご覧いただければ幸いです。

平成16年年金制度改革について(合意)

平成16年2月4日
与党年金制度改革協議会

 改革の基本骨格についての昨年12月16日の合意と合わせ、年金制度改革について下記のとおり合意する。政府においては、これら合意を踏まえ、改革事項全般についての関連法案をとりまとめるべきである。
 今回の改革案においては、今後約100年間を見通して年金財政の均衡を図ることとした上で、
@基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる、
A保険料水準の上限を固定し、社会全体の保険料負担能力の伸びを反映して給付水準を自動的に調整する、
B厚生年金の給付については、現役世代の平均収入の50%以上の水準を確保する
ことの3点を基本原則とした。これらにより、今後は5年ごとの財政再計算の度に給付と負担を見直すということはなく、国民が老後に安心感を持てるよう、恒久的に安定した制度を構築することとする。

 年金制度は相互の助け合い、連帯であることを基本として、より良い年金制度を構築していくとの考え方の下に、次の課題に取り組むものとする。
@働き方の多様化、ライフスタイルの変化に対応し、老後に安心感の持てる年金制度をどのようにつくっていくか(短時間労働者の問題など)。
A現在の公的年金制度では、被用者と自営業者等について給付、負担両面において異なる原理に基づいて制度が創設されているが、厚生年金と共済年金の統合の問題を含めて、どのようにしてより公平な年金制度としていくか。
 これらの課題について、社会保障制度全体の在り方の検討を続け、税制の抜本的改革の動向を視野に入れながら、5年後を目途に結論を得るものとする。

 将来に向けそのような中長期的課題に関する検討を進めていくとしても、今回の改革は、少子高齢化が急速に進む中で、公的年金制度を将来にわたり持続可能で安定的なものとし、国民の老後の安心を確保するための制度の根幹に関わる大きな改革である。年金改革法案の今国会での成立を図ることこそが、国民の期待に応えることとなるものと確信する。

1、在職老齢年金制度の見直し等

(1)60歳台前半の在職老齢年金制度については、働き始めると年金が一律2割支給停止される現行の仕組みを廃止する。

(2)70歳以上の被用者については、
@退職後の年金受給期間等を勘案し、保険料の負担を求めないこととし、
A厚生年金の給付については、60歳台後半の被用者と同様、調整を行う。

(3)在職老齢年金制度については、保険料負担と給付調整の両面にわたり、公的年金の支え手の在り方を勘案の上、引き続き検討を行うものとする。

(4)65歳以降の老齢厚生年金について、繰下げ制度を導入し、年金受給開始年齢を選択できるようにする。

2、短時間労働者への厚生年金の適用

 雇用の多様化の一層の進行は、我が国の年金制度など社会保障制度の根幹にかかわる問題である。
 このような中で、短時間労働者への厚生年金の適用については、被用者としての年金保障を充実する観点や、企業間の負担の公平を図る観点から、その在り方を今後見直していくことが重要な課題である。
 見直しに当たっては、社会経済の状況、短時間労働者が多く就業する企業への影響、適用に当たっての事務手続の効率性、短時間労働者の意識、就業の実態及び雇用への影響を十分踏まえるとともに、他の社会保障制度や雇用に関する施策その他の施策との整合性に十分配慮することが必要である。
 このような考え方に立って、厚生年金が企業や被用者の雇用形態の選択にできる限り中立的な仕組みとなるよう、法律の施行後5年を目途として、総合的に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じるものとする。

3、次世代育成支援の拡充

 次世代育成支援対策については、現在の育児休業期間中の保険料免除制度を子どもが3歳までに拡充するとともに、勤務時間の短縮等の措置を受けながらも就業を継続する者についても育児期間前の報酬に応じた保険料納付が行われたものとみなす措置を創設する。
 さらに、すべての子育て世帯を対象とした次世代育成支援対策の今後の展開に合わせた年金制度の果たすべき役割についても、引き続き検討する。

4、女性と年金

(1)第3号被保険者期間の厚生年金の分割
 第3号被保険者制度の在り方は、世帯単位で給付と負担の仕組みが設計されている厚生年金の基本的な考え方などに深くかかわる問題である。
 この問題を考えるに当たり、被扶養配偶者を有する厚生年金の加入者が負担した保険料は夫婦で共同して負担したものであり、被扶養配偶者にもいわば潜在的な権利があることは基本であるが、当面、離婚時など分割の必要な事情がある場合に分割できることとする取扱いとし、女性と年金の在り方について、更に検討を深めることとする。
 このような認識に基づき、第3号被保険者期間(施行後の期間)については、離婚した場合又は配偶者の所在が長期にわたり明らかでない場合など分割を適用することが必要な事情があるものとして厚生労働省令で定める場合、その配偶者の厚生年金(保険料納付記録)の2分の1を分割できるものとする。

(2)離婚時の厚生年金の分割
 離婚した場合の厚生年金については、配偶者の同意又は裁判所の決定があれば、分割できるものとする。

(3)遺族年金の見直し
 自らの老齢厚生年年金を全額受給した上で、従来の遺族給付との差額を遺族厚生年金として支給する仕組みに改める。
 また、子のいない30歳未満の遺族配偶者の遺族厚生年金を5年の有期給付とする。併せて、中高齢寡婦加算の支給対象については、夫死亡時40歳以上とする。

5、障害年金の改善

 障害年金については、障害者が障害を持ちながら自ら働いた期間に応じた老齢年金が受けられるよう、障害基礎年金と老齢厚生年金等の併給ができる仕組みとする。

6、厚生年金及び国民年金の保険料水準

 以上を踏まえ、保険料水準固定方式の下における厚生年金及び国民年金の保険料水準については、以下のとおりとする。

(1)厚生年金の保険料
平成16(2004)年10月から、毎年0.354%(本人0.177%)ずつ引き上げ、平成29(2017)年度以降18.30%とする。

(2)国民年金の保険料
平成17(2005)年4月から、毎年、月額280円(平成16年度価格)ずつ引き上げ、平成29年(2017)年度以降16,900円(平成16年度価格)とする。

7、国民年金保険料の徴収対策の強化

 国民年金保険料の未納問題は、制度に対する信頼を損ない、社会連帯に基づく制度の根幹にかかわる重大な問題であり、保険料の確実で効率的な徴収は、国民皆年金を堅持する上で極めて重要である。このため、制度面、運用面を通じて、納付率低下の要因を踏まえた個別対策、納付意識の喚起につながる対策を徹底して進める。
 特に今回改正においては、所得に応じた多段階免除制度の導入、単身世帯等の免除基準の見直し、若年の就業困難者に対する納付猶予制度の導入、保険料追納制度の改善や口座振替割引の拡充、市町村からの所得情報の取得等の納付しやすい仕組みの拡大等の措置を講じる。
 このような措置の効果を踏まえつつ、引き続き、制度面、運用面の対応の在り方について検討を進める。

8、年金制度の理解を深めるための取組み
 被保険者、特に若年世代の年金制度に対する理解を深めるため、保険料納付実績、年金額の見込み等の年金個人情報を定期的に通知することとする。その中では、自らの納付実績を確認し、将来受給する年金が着実に増加していくことが実感できるよう保険料納付実績を点数化する仕組み(ポイント制)をできるだけ早期に導入する。

9、第3号被保険者の特例届出の実施
 過去の第3号被保険者の未届期間について特例的に届出をすることができることとし、届出に係る期間は保険料納付済期間とする。

10、年金を受給していない障害者への福祉的措置の検討
 年金に未加入であったために障害者になっても年金を受けられないいわゆる無年金障害者については、その生活実態を踏まえた福祉的措置の在り方についてさらに検討し、必要な財源の在り方とともに速やかに結論を得ることとする。

11、企業年金の安定化と充実
 企業年金については、厚生年金基金の免除保険料率の凍結解除及び解散時の特例措置(分割納付及び納付額の特例)、確定拠出年金の改善(中途引出しの要件緩和等)、企業年金のポータビリティーの向上措置を講じる。

12、年金積立金の運用の在り方等の見直し
@年金積立金運用に関しては、長期的に、安全かつ効率的な運用を行うため、市場への影響に留意しつつ、国内債券を中心として、国内外の株式を一定程度組み入れた分散投資を行っていくこととする。
Aそのための運用組織については、専門性の徹底、責任の明確化をを基本として、年金積立金の管理運用のための独立行政法人(「年金積立金管理運用独立行政法人」)を平成18年度に創設する。
B厚生労働大臣は、運用の目標等に関する中期目標を当該法人に指示する。当該法人は、これに基づく中期計画の中で基本ポートフォリオを定めるものとする。
Cこれとともに、現在の年金資金運用基金を廃止し、また、グリーンピアの廃止、年金住宅融資の廃止を平成17年度までに確実に行う。既往の住宅融資債権の管理・回収業務及び教育資金貸付あっせん業務は、独立行政法人福祉医療機構が承継するものとする。
D年金の福祉施設として整備が行われてきた病院、保養施設等についての今後の方針については、本年2月中を目途に結論を得る。

以上です。


1999(平成11)年11月26日

●野党暴力の中、厚生委員会で年金改革法案が可決

今国会の重要法案のひとつである、年金制度改革関連法案を与党三党の賛成で一部修正のうえ、可決しました。前近代的な解決方法になってしまい、残念な思いがあります。

26日の厚生委員会は、午前十時に開会宣言したものの、すぐに休憩に入ってしまいました。事態の打開をめざすべく、野党は、26日の採決日程の撤回をもとめたのに対して、与党は今後の国会日程の協議に応じるよう提案しましたが、与野党間の協議は成立しませんでした。このため、与党三党だけで午後六時に委員会を再開し、野党議員が江口委員長に詰め寄る中、年金制度改革関連法案を可決しました。

法案のおもな内容は、

2000年以降に厚生年金(比例報酬部分)を受け始める人への給付を5パーセント減らす。

●2013年から2025年にかけて、厚生年金の支給開始年齢を現行の60歳から段階的に65歳に遅らせる。(女性5年おくれ)
●働く世代の賃金の伸びを給付額に反映させる「賃金スライド」の凍結。毎年の物価上昇率だけで改定する。
●基礎年金の財源について、国庫負担割合を現行の3分の1から2分の1に引き上げる。 等々

私たちの日本は世界最長寿国です。今後も平均寿命はのびると同時に、労働力人口が減少していくことが見込まれています。まずは「65歳現役社会」への移行が大切でしょう。高齢者の就業を促進していくのと同時に準備期間をかけて年金支給開始年齢を引き上げていきます。

また、今の保険方式を維持するうえで、若い人たちの保険料負担が過重になるのを防ぎ、財政状況を安定化することを目指しています。保険方式は、財源が確保され、その時々の財政状況に左右されにくいという長所があります。

今回の改正は25年後の年金の姿を見据えたものです。公的年金のしくみというのは、負担と給付がバランスのとれたものでなくてはなりません。野党は反対であるならば、ぜひ対案を示すべきでしょう。給付を増やすということは、それをまかなう負担はどうするのかを検討しなくてはなりません。


1999(平成11)年11月16日

●内閣委員会、給与法改正で質問

今国会で成立した給与関連法改正による、国家公務員のボーナスの減額や、「福祉俸給制度」を創設した意義などについて政府の見解を求めました。「福祉俸給制度」とは、福祉に対する社会的な評価を高めるねらいで、福祉従事者に対して手当てをつける制度のことです。

国家公務員の年間給与が戦後初めてマイナスに転じることについて、「どのような認識で減額を決定したのか。民間は考慮に入れたのか。」と質問しました。続長官からは「民間企業のボーナス支給額などの厳しい状況と国民感情を配慮しながらマイナス決定した。」との答弁でした。

また、「福祉俸給制度」の創設について、「対象となる職種や規模はどのようになるのか」と質問の質問に対し、政府側は「リハビリセンターなど高齢者や障害者への介護や指導を行う約千人が対象」との答えでした。

今回の福祉俸給制度創設は、今後、福祉の重要性がますます高まっていくなかで、福祉関係者の高い技術やその専門性を評価することができるという大変意義深いものです。福祉関係者が社会的に明確に認知されることにより、励みをもって日本の福祉社会を支えていただくことも期待できます。非常にに時代に即した対応であると思います。


1999(平成11)年9月1日

●介護保険制度は来年4月から予定通り実施すべきだ。

戦後の 四半世紀が経過し、右肩上がりの経済成長が足踏み状態、更に少子高齢化が進み、2007年に人口増のピークを迎え、2025年には高齢化のピークを迎えます。要介護高齢者は2000年に280万人、2025年は520万人にまで増加すると予測されています。少子化と言われる時代に若い世代だけに頼ることはできませんから、高齢者も応分の負担をし、双方で協力してさらに公的負担を組み合わせた保険制度を新たに作りました。

大きな改革の新スタートを来年4月に迎えますが、様々な不安の声が寄せられています。現時点で言えば保険料が確定していない、介護報酬単価がよくわからない要介護認定やサービス内容への苦情処理はどうなるのか等など、これらの具体的な内容についてはもう少し時間がかかりそうですが、いずれにしても、来年4月にきちんとスタートし、 不合理な点は走りながら改善していくこと、また 、それに向けては政治家も責任を持って取り組んで行かなければなりません。


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