松本純の備忘録(メモ)・リポート

2014

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平成27年度税制改正大綱案の概要

12月30日(火)晴れ

●1030〜税制調査会・総会/901

政調、税制調査会小委員会並びに総会が自民党本部901号室で開催されました。林芳正小委員長代理・副会長の司会で進行されました。額賀福志郎小委員長の挨拶の後、議事にうつりました。議題は、平成27年度税制改正大綱(案)についてで、了解されました。

平成27年度税制改正大綱案の概要

【基本的考え方】
 わが国の当面の最重要課題は、デフレ脱却・経済再生。企業の収益力改善とともに、賃金引上げ・投資拡大など資金が有効に活用されることが重要。こうした観点から、成長志向に重点を置いた法人税改革など経済の好循環に資する措置を請ずる。
 人口減少及び地方における人口流出等の構造的な課題を克服するため、東京一極集中の是正や若い世代の結婚・子育ての希望の実現等を通じた地方創生に向けた措置を講ずる。

【主な改正事項】
1.デフレ脱却・経済再生
(1) 成長志向に重点を置いた法人税改革
・27年度を初年度とし、以後数年で、法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す。
―27年度改正:先行減税を含め、27年度▲2.51%、28年度▲3.29%の引下げを決定。
―28年度改正::課税ベースの拡大等により財源を確保して、28年度における税率引下げ幅の新たな上乗せを図る(▲ 3.29%+α )。
―その後の年度の改正においても、改革を継続。
・税率引下げとあわせて、「欠損金繰越控除の見直し」や「外形標準課税の拡大」いった改革に取り組み、企業の収益力向上に向けた取組みを後押し。
・外形標準課税の拡大により負担増となる中堅企業に負担増軽減措置を導入(2年間)。
・所得拡大促進税制を拡充するとともに、法人事業税(外形標準課税)でも同様の制度を導入するなど、賃上げに配慮。

(2) 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充
・足元の住宅市場活性化策及び消費税率10%への引上げ(平成29年4月)に伴う駆け込み・反動減対策の観点から、適用期限を延長した上で拡充(非課税枠:1,000万円⇒最大3,000万円)。

{3)  NISA
・ジュニアNISAを創設(20歳未満の者の回座開設を可能に。年間投資上限額80万円)
・投資上限額を引上げ(年間100万円⇒120万円)

2 .地方創生
<東京圏への人口集中の是正・各地域での住みよい環境の確保>
{1) 地方拠点強化税制の創設
・地域再生法の新たな枠組みの下、企業の本社機能等に関し、東京圏から地方への移転、又は地方における拡充の取組みを支援するため、以下の措置を創設。
※ 東京23区からの移転の場合
本社等の建物に係る投資減税:特別償却25%、税額控除7%(27・28年度)、4%(29年度)
雇用促進税制の特例:地方拠点の増加雇用者数1人当たり最大80万円の税額控除(最大の場合、3年間合計で140万円)

(2) 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
・商店街やショッピングモール内などにおける消費税の免税手続きを、「免税手続カウンター」でまとめて行えるようにする。

<少子高齢化の進展・人口減少への対応>
(3) 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設
・祖父母や両親の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・育児を後押しするため、これらに要する資金の一括贈与に係る非課税措置を創設(非課税枠:1,000万円)。

(4) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除制度の拡充
・幼稚園、保育所等の教育・子育ての環境の充実を図る観点から、学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件(いわゆるパブリック・サポート・テスト要件)を緩和。

3. 消費税率引上げ時期の変更に伴う対応
・消費税率10%への引上げ施行日の変更:平成27年10月1日⇒平成29年4月1日
・景気判断条項(税制抜本改革法附則18条3項)の削除
・住宅ローン減税等の適用期限の変更:平成29年12月31日⇒平成31年6月30日
(注)消費税率10%段階の車体課税の見直し及び地方法人課税の偏在是正は、平成28年度以降の税制改正で結論。

4.その他
(1) 車体課税の見直し
・エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)について、燃費基準の円滑な移行や足元の自動車消費の喚起の観点から、 2年間の経過的な措置として、減免税車の対象範囲を見直し。
・軽自動車税について、一定の環境性能を有する四輪車等について、燃費性能に応じた軽課を導入。

(2) 固定資産税
・平成27年度から平成29年度までの間、土地に係る現行の負担調整措置を継続。

 


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