松本純の海外リポート・外交

2014(平成26)年4月25日(金)〜5月3日(土)

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政務】河野太郎中東プロジェクトに参加(自費参加)

写真で綴る概要報告

ヨルダン、カタール視察

 

【中東訪問団メンバー】

団長 河野 太郎 衆議院議員
  松本 純 衆議院議員
  鈴木 馨祐 衆議院議員 (カタールのみ参加)
  杉本 かずみ 衆議院議員
  高野 光二郎 参議院議員
  信田 智人 国際大学教授
  マーゼン・アブダーリ 河野太郎事務所アドバイザー
  スティーブン・アンダーソン WFP(国連世界食糧計画) 日本事務所代表

 


4月25日(金) 日本→ヨルダンへ

●2100〜成田空港集合

●2230〜成田空港発QR807便→カタール・ドーハ空港経由ヨルダン・アンマン

Qatar Foundation プロジェクト・マネージャーの余語麻里亜さんと隣り合わせ、カタールの様子について勉強させていただきました。


4月26日(土) カタール・ドーハ→ヨルダン・アンマン

●0355〜ドーハ空港着

●0411〜ドーハ空港トランジット/ラウンジにて待機〜1125

●1235〜ドーハ空港発QR400便にてアンマンへ

●1523〜アンマン空港着

空港に到着するや否や、国王のお客様である河野太郎さんにはSPが数名付き、車移動にはパトカーの先導付きのビップ待遇です。

●1726〜ホテル着/グランド・ハイアット・アンマン

●1759〜ローマ劇場跡視察

●1828〜アンマン城跡視察

●1930〜パレスチナベースのNGOとの夕食懇談会〜2059/ SUFRA Restaurant

「SUFRA」とは「食事のテーブル」の意味だそうです。アラブ料理をいただきました。河野太郎さんとスティーブンさん、そして Paul Butlerさんはジョージタウン大学の同級生だそうで、今やそれぞれが世界を駆けめぐり世界規模の活躍しているとのことでした。

●2120〜宿舎に帰館

明日に備え早めに休みました。

《宿泊:グランド・ハイアット・アンマン》


4月27日(日) ヨルダン・アンマン

●0851〜ホテル出発

●0957〜議長との会談/ヨルダン議会

●1121〜ヨルダン議会視察

●1131〜ヨルダン議会出発

●1201〜ヨルダン国王会談

●1247〜退出

▼録音日時:2014年4月27日12:51 ヨルダン アブドゥラ国王拝謁
●松本 王様との会談の全体の印象をどうぞ。
●河野 もう何回もお目にかかってるんで非常にフレンドリーな雰囲気で、我々もそんなに前回ほど緊張しなくて良かったと思います。
●松本 具体的な課題で、記憶に残っているものは何ですか?
●河野 ひとつはシリアの難民の問題で、ヨルダンもこれ以上は受け入れができないので、シリア国内の難民キャンプに対する攻撃を避けてほしいということをプーチンに伝えたと王様は言ってらっしゃいました。それからパレスチナの件では、日本が提案をした、ヨルダン国内にパレスチナ人用の空港を造るというのが、和平交渉の中で大きな意味を持つんで、ぜひこれを進めてほしいという国王からの強いメッセージがございました。
●松本 これは誰からの提案?
●河野 これは日本側の「平和と繁栄の弧」要するにパレスチナ国内に食料品の加工工場を造って、それをヨルダン側に持ってきて、ヨルダンから湾岸にそれを輸出することによって、パレスチナ側の経済、農業を助けようという、日本とヨルダン、パレスチナ、イスラエルの四か国が関わる提案です。なかなか進んでませんでしたが、パレスチナ国内の加工工場はうまく立ち上がりそうなので、それをヨルダン側に持ってきて輸出をするというインフラが必要になってきます。
●松本 ということは、麻生太郎先生にも大きな責任がありますね。
●河野 はい。これは麻生会長に報告に行って、これを進める。特にパレスチナ側に飛行場は造らせないというイスラエルの意思があるんで、国王陛下からイスラエル側に、それでは日本の提案ならいいんですね、という問いかけをしたらイスラエル側は黙ってしまったと。ケリー国務長官もこれをきちっとテイクノートしてますんで、日本側がしっかり進めていきたいと思います。
●松本 以上ですか?
●河野 はい、大体以上です。あ、もうひとつ、租税条約をやってほしいという話がありましたんで、これも財務大臣にお伝えをしなきゃいけないかなと思います。
●松本 以上でした。

●1420〜Dead Sea 視察

●1948〜ヨルダン有力者との懇談会〜2248/アワダラー氏邸

Bassem Awadallar

《宿泊:グランド・ハイアット・アンマン》


4月28日(月) ヨルダン・アンマン

●1045〜ホテル出発

●1101〜会談〜1146/

▼録音日時:4月28日17:49  ヨルダン 外務大臣
●松本 外務大臣の名前は何というんですか?
●河野 外務大臣の名前は発音ができません。外務大臣です。
●松本 中身はどんなお話だったですか?
●河野 シリアからの難民が130万人で、18か月で国の人口が2割増えたという状況を想像してほしい、という話で、しかもその130万人の内9割は普通にヨルダンの町に来て住んでる。難民キャンプにいるのは1割ですから、ヨルダンの町の教育にしろ、ヘルスケアにしろ、ごみの処理にしろ、みんないきなり2割増えた人口に対応しなければいけなくなって、うまく機能してない。ヨルダンは歴史的にも難民を受け入れてきましたけども、その難民を受け入れることによって自分の仕事が奪われるという状況に直面すると、やはりこれ以上難民を受け入れるのを増やすべきではないんじゃないかという議論がヨルダン国内に出てきてる。それに対して国際社会がきちっと支援をして、対応してあげるというのが大事なんだと思います。
●松本 アンマンに流れ込んできている難民は、どこに住んで何をしてるの?
●河野 普通に色んなところに住んでるんだと思います。アンマンに限らずヨルダン全体に100万人シリア人が住んで、色んなところで仕事を見つけて働いてるわけで・・・
●松本 アンマンに集中してるわけじゃないの?
●河野 わけではないです。色んなところへ入ってきてるんで、逆に言うと今までやや不法就労していたエジプトから来ている労働者の仕事がシリア難民に奪われていると、エジプトの不法就労してる人たちが文句を言ってる、という状況まで起きてるというんで、そうすると給料の高いヨルダン人の仕事はそういう給料の安い人に奪われてるわけで、3割近い失業率の国ですから、これはやっぱり社会問題になってくるんだと思います。
●松本 なるほど。問題は山積ですね。
●河野 問題は山積です。
●松本 ありがとうございました。

●1158〜駐ヨルダン日本大使から情勢説明〜1336/公邸

●1402〜ヨルダン首相会談〜1419/

▼録音日時:4月28日15:29  ヨルダン首相
●松本 首相の所で何をしましたか?
●河野 まずシリア難民の状況についての再度のご説明と、それからパレスチナの和平交渉についての話がありました。それからヨルダンの財政赤字を無くすためにいかに補助金を減らしているか、それがいかに大変かという話もされていましたが、財政赤字を無くすためには政府を小さく効率的にしなければいけないと。まず電力の補助金を3年半かけて無くして、その後はパンの補助金に手を付けるというような話をされていました。これは結構政府的には勇気の要ることだなあと思います。
●松本 ありがとうございました。

●1529〜大臣との会談〜1612/計画大臣

▼録音日時:4月28日16:15 ヨルダン 計画大臣 ※4月28日15時30分スタート、16時10分終了
●松本 計画大臣の様子はどうでした?
●河野 昨日お目にかかったんで、非常に和やかな雰囲気の会談でした。今会談では、今までは燃料やパンにそのまま補助金を出していたのを止めて、所得の低い世帯に直接支援金を出す方向に切り替える、という政策の説明がありました。パンに補助金を乗せると、お金持ちも食べてるパンが安くなるんでそれは意味がないし、安いパンなんて家畜に食わせたり捨てられたりという無駄も大きかったのを止めることにしたと。特に電気代も今までは補助金で安くしてたのを値段を上げるようになったので、太陽光パネルを自分で設置する家庭がドンドン増えていくだろうという話がありました。
●松本 注目すべき点は以上でした。

●1649〜ヨルダン議員との懇談会〜1911/ご自宅

▼録音日時:4月28日19:21  ヨルダン カワール下院議員
●松本 今のご招待いただいた先生は何さんでしたっけ?
●河野 ちょっと待って下さい。名刺を見ます。これですね。アテフ・カワールさんですね
●松本 何をやってる人だっけ?
●河野 下院議員で、外務委員会のメンバーですね。
●松本 会談の要点は?
●河野 最初は日本の国会の制度について色々質問がありましたが、その後パレスチナ難民の帰還問題について色んな説明がありました。それぞれ議員の立場によって意見はバラバラのようですが、最後はヨルダンの健康保険の問題であんまり的を得ない回答がありました。
●松本 以上でした。

●1927〜WFP夕食懇談会〜2017/

《宿泊:グランド・ハイアット・アンマン》


4月29日(火) ヨルダン・アンマン→カタール

●0616〜ホテル出発

●0652〜WFP〜1200/シリア難民キャンプ

 

▼録音日時:4月29日10:08  ヨルダン ザワタリキャンプ
●松本 感想を。
●河野 非常に電子化されてシステマチックで驚きました。難民キャンプといえども世界の最先端の技術を使っていて、シリアの人は毎朝焼いたパンを食べなきゃいけないし、品質の良いパンを提供しなきゃいけないというので、WFPのオペレーションの凄さにはびっくりしました。毎日9万人分のパンが運ばれてきて、2時間で配給されてるという現実には驚きました。モスクから市場経済で、両替、外国為替まで全部揃って、本当に自由主義経済と地方自治の現実が見えるような場所になってます。
●松本 日本はどういう協力を今してるんですか?
●河野 日本は2014年の2月に15億円の資金供与をやりました。ただし1週間にここでかかる費用が40億円なんで、日本の拠出で多分4日分位このシリア難民の支援ができたんだと思います。
●松本 今後日本はどう取り組むべきか?
●河野 資金供与もそうですし、湾岸諸国を巻き込む運動をして、湾岸諸国、サウジアラビアは「デイツ」(ナツメヤシ)はくれるけどお金は払ってないし、カタールは1円も何も出してないんで、そういう国と共同で何か支援をやる、湾岸を巻き込む枠組みを考えたらいいと思います。
●松本 お疲れ様でした。

▼録音日時:4月29日12:04 ヨルダン マフクラ e−バウチャー配給所視察
●河野 街中のe−バウチャーを配布してる所を見ました。最先端の紅彩(?)の技術まで使ってやってますが、紙のバウチャーを使うよりe−カードにした方が2週間に1回人を寄せなくてもいいし、紙のバウチャーの印刷のロジスティックス考えなくていいんで、初期投資はかかりますけども、最終的なランニングコストは大分安くなると思います。日本も少し援助のやり方を見直さないといけないのかなあと思います。
●松本 皆さんからの具体的リクエストは?
●河野 やっぱりお金下さいという・・・一週間でシリア難民だけで40億かかってますんで、日本が補正で出した15億は、多分3日分とか4日分しかにならない。

●1419〜移動アンマン空港に到着/控室

●1635〜アンマン空港発QR401便にてドーハ空港へ

カタール・ドーハ

●1915〜ドーハ空港着

●2036〜ドーハ宿舎ホテル着

●2100〜視察団懇談会/フォーシーズンホテル

《宿泊:モーベンピックタワー&スイート・ドーハ》


4月30日(水) カタール・ドーハ

●0719〜ホテル発

●0759〜ジョージタウンカタール校視察〜0915

●0945〜移動車故障乗り換え

●1010〜経済大臣会合〜1028/

●1123〜順子視察〜1321/順子

▼順子 Sushi & Japanese Dining

コヴァ・ジャパン株式会社の代表取締役会長である南里順子さんのお店に伺い、カタール情勢について学びました。

●1413〜アルジャジーラ視察〜1507

▼録音日時:4月30日16:12 カタール アルジャジーラ放送局視察
●河野 アルジャジーラ、4人記者が殉職してたそうで、記者が最後着ていた銃弾の穴の開いたシャツが印象的でした。イングリッシュの方がアラビア語よりもお金がかかっていたようです。小さいながらに本当に頑張ってると思います。ああいう別な見方をするメディアというのは極めて大事だと思います。

●1520〜宿舎ホテル〜1600

●1627〜市内視察〜1725/

●1921〜カタール財団との夕食懇談会〜2203/

●2228〜ホテル着

《宿泊:モーベンピックタワー&スイート・ドーハ》


5月1日(木) カタール・ドーハ

●0741〜エマーディ財務大臣会談〜0834/

▼録音日時:5月1日08:38 カタール エマーディ財務大臣面談
●松本 エマーディ財務大臣、どんなお話で感想は?
●河野 日本との投資協定と租税協定がちょっと行き詰まってたんで、在日のカタール大使が一生懸命プッシュされてたんで、ぜひ財務省側からも、支援をしてほしいというお願いをしました。大使からのブリーフィングが既に届いているようで、来週までにはそれの返事をするとおっしゃって下さいましたんで、これで投資と租税の条約の交渉が少し進むんではないかと思います。
それ以外に、彼はカタール航空の取締役かな、ボードメンバーの一人なんで、カタール航空が日本でもう少しいい時間に飛べるようにそちらからも努力してほしいという話がありました。これは色んな航空会社、中東の色んな航空会社が競争してるんで、何かのメカニズムで調整をしなければならないと思います。
それと後はビザの問題で、カタールの投資が今東京へ向かいつつあるので、少しビザについても両国できちっと話そうということで、ビザと航空会社と、投資と租税のふたつの協定、これが大事だということで一致しました。
●松本 お疲れ様でした。

●0851〜アティーヤ外務大臣会談〜0932/外務省

▼録音日時:5月1日09:38
●松本 外務大臣が長々とシリアのことなどお話になりましたが、アティーヤ外務大臣、内容と感想を。
●河野 やはり投資協定、租税協定、ビザの問題についてはやらなければいけないね、ということで一致しましたが、カタール航空については、やはり先方からもうちょっといい条件を出せという話もありましたんで、これは湾岸みんなそうなんで、なかなかカタール航空だけというわけにはいかないと思いますが、これはしっかりやらきゃいけないと思います。
シリアの内線は、カタールは完全に反政府側を応援していて、アサドを早く潰せと、反政府側にはテロリストがいるという話もありますが、そうではないんだと、反政府側はアルカイダと戦って、アルカイダを小さいところへ押し込めてるんだ、という話でした。パレスチナの和平については、やはりハマスとファタハが統一政府の合意をしたのに、イスラエルが反発してるのはおかしいではないかと。ハマスを野放しにして合意ができても、ハマスがその合意を認めなければ意味がないのだから、イスラエルの対応ぶりはおかしいんじゃないかと。それは我々もそう思います。ちょっとシリアについては、聞いてはいましたけども、かなり極端に反政府側に肩入れをしている。アメリカやイスラエルはアサド政権を応援してるとは思いませんが、もうアメリカとイスラエルがアサドを応援してるんだ、というような話もありましたんで、かなりカタールは鮮明に反体制側を応援するということを示していたと思います。
●松本 お疲れ様でした。

●0952〜エネルギー大臣会談〜1033/

▼録音日時:5月1日10:34
●松本 エネルギー大臣一言まとめ
●河野 カタールは安定した供給、ロングタームの長期的な供給をするんだから、あまりシェールガスの値段を気にするな、というセールストークでした。それからもうひとつは、ホルムズ海峡は封鎖されないから心配するなという、いやいや本当にそうなんだろうかという、ややそこは疑問なんですが、ホルムズ海峡を迂回するパイプラインの話をしようかと思ったんですが、もうエネルギー大臣、一方的にず〜っとおしゃべりをされてたんで、あんまり時間はありませんでした。

●1048〜会談〜1138/

 

●1258〜カタールガス視察〜1431/

●1525〜とりで視察〜1604/

●1801〜ホテル発

●1809〜カタール情勢説明〜2000/大使公邸

●2015〜ホテル着

●2030〜視察団懇談会/フォーシーズン

《宿泊:モーベンピックタワー&スイート・ドーハ》


5月2日(金) カタール・ドーハ

●0923〜ホテル発

●1010〜らくだ〜1018

●1116〜岩

●1312〜ランチ

●1513〜博物館〜1559/

●1839〜ホテル

●1900〜視察団夕食会・イタリアン〜2030/フォーシーズン

●2035〜ホテルにて荷造り

●2230〜ホテル発

●2330〜ドーハ空港着

●2545〜ドーハ空港発QR806便にて成田空港へ

《レイトチェックアウト:モーベンピックタワー&スイート・ドーハ》


5月3日(土) →日本

●1731〜成田空港着

●1930〜横浜着


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