松本純の海外リポート・外交

2009(平成21)年2月23日(月)〜25日(水)

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公務】官房副長官として麻生太郎総理大臣に随行

概要報告

日米首脳会談 米国ワシントン・ホワイトハウス

 


2月23日(月)

●2030〜羽田空港発→アンドリュース空軍基地着〜1910(米国東部時間)

支部大会でのご挨拶を終えた後、会場にお越しいただいた皆さんとゆっくりとお話しする間もなく、大変恐縮ではありましたが、官邸からの出発時間が迫っていたため、官邸にとんぼ返りしました。
20時過ぎに総理公邸前を総理車列で出発し、羽田空港から米国・ワシントンに向けて出発しました。往きは12時間30分あまりの飛行時間で、打合せなどで時間を有効に活用しました。東京とワシントンには時差が14時間あり、到着は、現地時間で同じ日の夜7時過ぎでした。

●2000〜打合せ兼夕食会〜2130/駐米大使公邸

アンドリュース空軍基地到着後、直接、ワシントン市内の駐米大使公邸に向かい、明日の日程などの打合せを兼ねた夕食会に参加しました。藤崎駐米大使のお心遣いで、明日の非常に重要な日米首脳会談に向けて、非常によい打合せができました。
夕食会終了後、宿舎であるマンダリン・オリエンタル・ホテルに移動しました。


2月24日(火)

●0900頃〜打合せ兼朝食会〜打合せ/宿舎

今日の日米首脳会談に備え、はじめは朝食をとりながら少人数で、その後は、同行している関係省庁の皆さんと、会談での対応ぶりなどについて、最終的な打合せを行いました。

●1030過ぎ〜日米首脳会談〜1150/ホワイトハウス

打合せ終了後、宿舎を出発して、ホワイトハウスに向かいました。ホワイトハウス内にある大統領執務室(オーヴァル・オフィスと呼ばれる)で、非常に限られた人数による日米首脳会談が行われました。
会談に先立って、執務室に入る際、オバマ大統領から、日本側代表団の一人一人が握手を求められました。オバマ大統領は、一人一人としっかり目を合わせながら握手をされ、とても誠実なお人柄だという印象を強く持ちました。
会談では、日米関係、金融・世界経済、北朝鮮問題、気候変動・エネルギー、アフガニスタン・パキスタンといった世界規模の課題について意見交換が行われました。日米同盟の一層の強化、世界経済の回復に向けた一層の取り組み、北朝鮮問題に関する協力など、多くの分野で、日米協力が確認されました。
会談には、先日、日本をはじめとするアジア歴訪を終えられたばかりのクリントン国務長官なども同席されていました。

●1200〜有識者との昼食懇談会〜1300/宿舎

首脳会談を終え、宿舎に戻って間もなく、総理と米国の有識者との昼食会に参加しました。アメリカ側の出席者は、ハムレCSIS所長、アーミテージ元国務副長官、ブレジンスキー元大統領補佐官、スコウクロフト元大統領補佐官という、アメリカのこれまでの政権で外交・安全保障分野の最前線で活躍してこられた方々でした。
昼食をとりながら、こうした有識者の方々との間で、約1時間、金融・世界経済、気候変動・エネルギー、アジア太平洋地域の諸課題などについて、非常に活発な意見交換が行われました。

●1320〜総理ぶら下がりインタビュー/宿舎

昼食懇談会の後は、総理訪米に同行されている記者団の皆さんによる、ぶら下がりインタビューが宿舎内で行われました。記者の方々からは、今回の日米首脳会談の中身とオバマ大統領の印象、首脳会談での経済問題、北朝鮮問題、アフガニスタンなどに関するやりとりについて質問がありました。

●1400〜記者ブリーフ/ワシントン・プラザ・ホテル

ぶら下がりインタビューの後、総理は、アーリントン国立墓地を訪問し、無名戦士の墓やイラク・アフガニスタンにおける殉職者のお墓に献花を行われました。
私は、同行記者団の皆さんに、日米首脳会談の結果の詳細についてご説明する(記者ブリーフ)という重要な役目がありましたので、この献花には参加せず、同行記者団の宿舎であるワシントン・プラザ・ホテルに向かいました。
このホテルは、昨年11月の世界金融サミットの際に記者ブリーフ会場になっていた場所で、3か月ぶりにまた同じ場所で記者の皆さんにブリーフィングをすることとなりました。
日・米という非常に重要な同盟国間の、米国大統領就任後初の直接会談ということで、記者の皆さんの関心も高かったようで、非常に詳細な質問を多数いただきました。とても緊張感の高いブリーフィングで、私も緊張しながら、正確な説明を心がけました。

●1525〜ワシントン・ポスト紙による総理インタビュー/宿舎

記者ブリーフ終了後、宿舎で総理と合流しました。総理は、このすぐ後、ワシントン・ポスト紙のインタビューを受けられました。日米首脳会談でのやりとりやオバマ大統領の印象などについて質疑が行われました。

●1600〜イノウエ上院議員夫妻による総理表敬〜1620/宿舎

その後、ダニエル・イノウエ上院議員と、その夫人であるアイリーン・ヒラノ全米日系人博物館執行顧問が、宿舎に総理を訪ねてこられました。イノウエ議員も、ヒラノ顧問も、総理とは旧知の間柄で、とても和やかな雰囲気の中で日米関係などについて意見交換が行われました。
私自身も、イノウエ議員ご夫妻とは、かねてから懇意にしていただいており、久しぶりにご夫妻にお会いすることができ、たいへんうれしく、またとても勉強になる意見交換でした。

●1800〜アンドリュース空軍基地発

滞在時間24時間未満というとても短い日程で、ワシントンから、政府専用機で帰国の途に着きました。
帰りの機内では、帰国後の日程などに備えて、打合せやいろいろな作業が行われ、さながら「移動官邸」のようになっていましたが、離陸して数時間後、オーロラが我々を迎えてくれました。機内から窓越しに見える幻想的なオーロラに、しばし癒された気持になりました。


2月25日(水)

●2205(日本時間)〜羽田空港着

約14時間のフライトで、羽田空港に到着しました。時差もあり、帰国したらすでに日本は25日の午後10時過ぎになっていました。

▼所感

今回も、先日のサハリンやスイスのダボスへの出張と同じように、非常に忙しい総理のスケジュールを縫って、短時間での海外出張となりました。
今回の日米首脳会談では、冒頭、オバマ大統領より「(日本は)アフガニスタンなどの様々な課題について偉大なパートナーであり続けている」、「日米同盟は東アジアの安全保障の『礎石』だ」などと、日米同盟の重要性について、とても力強い発言があり、麻生総理との間で、日米同盟を一層強化していくことで一致しました。また、金融・世界経済問題や北朝鮮問題、アフガニスタン・パキスタンなどの世界規模の課題について、非常に率直で中身の濃い意見交換が行われました。
麻生総理は、首脳会談後に行われたぶら下がりインタビューで述べられているとおり、今回の首脳会談で、オバマ大統領について、「いろいろな問題を率直に話し合える、信頼できるリーダー」、「一緒に手を携えてやっていける、そういう信頼に足る指導者」という印象をもたれたようです。
日米同盟は、東アジア地域にとどまらず、世界の平和と安定のために非常に重要な役割を担っている二国間関係です。経済面でも、世界第1位と第2位の国として、今、世界が直面している金融問題などにおいて大きな役割が期待されています。このように重要な日米同盟関係を、「外交の麻生」ともいわれる麻生総理の下、日米首脳の間の強い信頼関係を通じて、一層強化していくことが重要です。
私も、官房副長官として、引き続き、日米関係の強化といった外交案件はもちろん、国内外のさまざまな課題について、これらの課題に正面から取り組んでいる麻生政権を支えて「強くて明るい日本」を築いていけるよう、地元・横浜をはじめとする皆さんのご理解とご支援を賜わりながら、全身全霊で取り組んでいきます。


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