松本純の海外リポート・外交

2009(平成21)年1月30日(金)〜2月1日(日)

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ダボス会議 スイス・チューリッヒ・ダボス


1月30日(金)雨 羽田→チューリッヒ

●1730過ぎ〜総理ぶら下がり取材/官邸

これからダボス会議に向けて出発します。随行団を代表し私も侍立する中で、総理から豊富などが述べられ、終了後ただちに官邸を出発しました。

●1810〜ダボス会議へ羽田空港出発

衆議院本会議での代表質問が終わったばかりですが、休む間もなく、麻生総理は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)への出席のため、スイスに向けて出発しました。私も、麻生総理を補佐する官房副長官として、ダボス会議に同行します。
総理は、国会を終えてから官邸に戻り、出発準備を整えたのち、官邸3階にあるエントランス・ホールで官邸に詰めている記者の皆さんのぶら下がり取材を受け、そのまま車列で羽田空港に出発しました。私も、総理の車列に加わり、羽田空港に向かいました。
チューリッヒまでは、政府専用機による直行のフライトで、約13時間です。

●2300(現地時間)〜チューリッヒ国際空港着

現地時間夜の11時に、チューリッヒ国際空港に無事到着しました。外の気温は1度とのことで、前回の韓国訪問に引き続き、寒い中での出張となりそうです。健康に気をつけて頑張りたいと思います。私の中高(聖光学院)の同級生でもある小松一郎大使らもお迎えに飛んできてくれました。


1月31日(土)晴れ チューリッヒ→ダボス→チューリッヒ→羽田空港

●0630〜打ち合わせ /宿舎

今日は、宿舎のあるチューリッヒからダボスに移動し、ダボスで7時間くらい滞在した後にチューリッヒに戻り、その後日本に向かって出発、という強行軍です。この短い一日に非常に多くのスケジュールをこなすことになります。そのため、今日は朝食をとりながら一日の準備のために綿密に打ち合せを行いました。

●0840〜ヘリでチューリッヒからダボスに移動〜0940

天候が不安定だったため、ぎりぎりまでヘリコプターでの移動が可能か決められず、心配していましたが、結果的にはヘリでダボスに移動することとなりました。当初予定していたヘリのうち1機の到着が遅れ、そのヘリに乗るはずであった随員が急きょ陸路の移動に変更するというトラブルもありましたが、皆、無事にダボスへと移動することができました。
ダボスはスキー・リゾートとしても有名ということで、雪に埋もれた山々を超えての移動となりました。しばし、美しく雄大な景色を楽しみながら移動することができました。

●1000〜メルツ・スイス大統領との立ち話 /コングレス・ホテル

チューリッヒからヘリコプターで約1時間の移動で、麻生総理とともに世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が行われているダボスに到着しました。
ダボス到着後、ダボス会議が行われる会議場(コングレス・センター)に隣接するコングレス・ホテルの休憩室でごく短時間の休息をとり、麻生総理は、ホテル内の会議室で、スイスのメルツ大統領兼財務大臣と首脳会談を行いました。
この会合では、日本とスイスの間で様々な分野で協力関係が進展していることについて、両首脳から歓迎の意が述べられ、また、世界経済情勢の危機への対応について、突っ込んだやり取りが行われました。麻生総理は、通訳を介さず、英語で会談を行いました。

●1030〜ブラウン英首相との首脳会談 /コングレス・センター

スイスのメルツ大統領との会談を終えた後、ダボス会議の会議場があるコングレス・センターに徒歩で移動し、このセンターの会議室で、イギリスのブラウン首相との間で首脳会談が行われました。日・英両方からそれぞれ3名ずつという、非常に限られた人数で、親密な雰囲気の中での会談となりました。
会談では、今年の4月2日にロンドンで開かれる予定の「第2回金融・世界経済に関する首脳会合」に向けて、議論を深めていくべき点について意見交換を行いました。麻生総理からは、この首脳会合の議長となるブラウン首相と緊密に協力していきたいと述べ、両首脳は、アメリカのオバマ新政権とも協力しながら、首脳会合を成功させるよう、今後一層協力を強めていくことで一致しました。
短時間の会合でしたが、非常に活発で有意義な意見交換となりました。

●メインのコングレスセンターでは世界の政治・経済指導者らがそれぞれに立ち話

●1145〜総理特別講演 /コングレス・センター

ブラウン首相との会談を終えた後は、今回のダボス訪問の主目的である、麻生総理によるダボス会議(麻生総理用に設けられた特別なセッション)での総理による講演です。日英首脳会談の会議場からの移動の途上、緒方JICA理事長などと懇談や立ち話をしながら、特別講演の会場まで移動しました。講演の直前、会議場の舞台裏にある小さな会議室で、講演の司会を務めるシュワブ世界経済フォーラム会長、講演に参加するゴーン・ルノーCEO兼日産CEOと短時間、講演の事前打ち合せを行った後、麻生総理は講演に臨まれました。
麻生総理は、「私の処方箋 〜世界経済復活に向けて〜」と題して、@金融危機への対応措置、A世界経済の体質・体力強化、そしてB気候変動対策、という3つの対応策(処方箋)を示しながら、非常に熱のこもった講演を行いました。

私も最前列で講演を拝見しましたが、とても気迫があふれる、また非常に包括的で具体性に富んだ内容の講演だったと感じました。その感想は、会場でも広く共有されたようで、講演終了後、会議場からは非常に大きな拍手と喝采を浴びました。私も、日本政府代表団の一員として、麻生総理の講演が高く評価されたことを、とても嬉しく、誇らしく感じました。

●1315〜ビジネスリーダーとの昼食会 /シュバイツァーホフ・ホテル

麻生総理の特別講演を終えた後、麻生総理は他のセッションでの環境に関する講演や、コングレス・センターの中で行われている日本食を用いたイベントである「ジャパン・ビュッフェ」の視察に臨まれました。私は、次の昼食会の会場に先に入っている必要がありましたので、特別講演の後、麻生総理から離れて、昼食会場に先行しました。

この昼食会は、非公開の意見交換の場ということでしたので、詳細をご紹介できないのは残念ですが、その前に行われた総理の特別講演について、多くの人から非常に高い評価の言葉をいただきました。また、環境、エネルギー問題など、多岐にわたる分野に関して、参加者の方々から麻生総理に質問が行われ、総理も率直に、また明快に質問に答えていました。和やかな雰囲気の中で、中身の濃い昼食会が行えたのではないかと思います。

●1340〜総理のぶら下がり取材 /シュバイツァーホフ・ホテル

昼食会の後は、昼食会場となったシュバイツァーホフ・ホテルのすぐ横の屋外で、今回の訪問に同行されている記者の皆さんによる麻生総理へのぶら下がりインタビューが行われました。記者の皆さんからは、今回の講演で最も伝えたかったことや講演の手応えなどについて質問がなされました。
幸い、今日は天気にも恵まれ、雪山を背景にした屋外でのインタビューは、風光明媚なダボスで行うにふさわしい、良い環境の下で行われました。

●終了後〜次の会場に移動・待機時間に総理が写真撮影/コングレス・ホテル

カメラには興味がないと総理は言いながら、さっと構えて右の写真を撮影されました。その構え方を見ると、なんとなくクレー射撃フォームに似ています。

●1511〜ラスムセン・デンマーク首相との会談〜1540 /コングレス・ホテル

ビジネスリーダーとの昼食会を終えた後、麻生総理とともにコングレス・ホテルに戻り、ホテル内の会議室で行われた麻生総理とデンマークのラスムセン首相との首脳会談に同席しました。
今年12月に第15回気候変動枠組条約締約国会合(COP15)が開かれる予定となっていますが、今年は、京都議定書後の温暖化対策のあり方を決めるとても重要な会議となる予定です。デンマークは、その議長国となっています。このため、ラスムセン首相との首脳会談では、地球環境問題を中心に、非常に活発な意見交換が行われました。この会談で、両首脳は、ともに自国の経験から地球環境問題は、技術革新などを通じて対応できる課題であり、経済成長の制約ではなく、その要因となりえる、という点で意見が一致しました。そして、似たような経験を持つ日本とデンマークが、COP15の成功に向けて、今後とも協力していくことが確認されました。

●40分ほどの休憩時間はお散歩に!

少し時間が空きました。麻生総理はじっとしているのが苦手です。散歩に行こうと言うことになりまして、ついでにお土産のチーズとおしゃれな蝋燭を購入しました。足元が雪が凍ってツルンツルン。転ばないように厳重注意。

●1630〜ヘリでダボスからチューリッヒへ移動〜1730

ラスムセン首相との会談で、今回のダボス訪問の公式日程は終了です。会談を終えてからチューリッヒに向かうヘリの出発までは少し時間が空いていたことから、麻生総理はコングレス・ホテルのすぐ近くを短時間散策。私も総理の散策にご一緒させていただきました。
その後、ダボスから、またヘリコプターでチューリッヒに向けて出発しました。

●1950(現地時間)〜チューリッヒ国際空港発→日本へ

スイス訪問の全日程を終え、宿舎にいったん戻って休息してから、日本へと向かう政府専用機が駐機しているチューリッヒ国際空港へ車列で移動しました。そして、日本の羽田空港へと向かいます。


2月1日(日)晴れ チューリッヒ→羽田空港

●1535(日本時間)〜羽田空港着

チューリッヒからは、12時間弱のフライトで羽田空港に到着しました。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は、各国の首脳や閣僚といった政府関係者だけでなく、多くの国際的にも有名な大企業のCEOや知識人などが年に一度、一堂に会する、非常に大きな会議です。そして、そこで発信した内容は、日本国内だけでなく世界規模で広く発信される、影響力という意味からもとても重要な会議です。
今回の麻生総理のダボス会議出席は、昨年の福田総理に続いて2年連続となりました。特に今回は、アメリカに端を発する金融危機の影響で、各国の実体経済にも影響が及んできている中、世界全体での金融危機の克服に向けて、主導的な役割を果たしている日本のリーダーによる講演ということで、かなり注目されていたのではないでしょうか。そして、麻生総理も、その注目に応えて、非常に具体的で、また包括的な内容の気迫のこもった明快な講演を行われ、会場内外で大きな反響を呼びました。
このように重要な会議の場で、麻生総理から、日本のリーダーとして、世界に向けて日本の取り組みを明確に、また率直に発信できたことは、日本の国益という意味からも、非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。
また、短時間の滞在であったにもかかわらず、第2回金融サミット、COP15といった、今年の外交スケジュールの中でも非常に重要な二つの会議の議長国であるイギリスとデンマークの首脳と二国間の首脳会談を行うことができ、密度が高く、実り多い滞在となったと思います。
私も、麻生総理の特別講演や二国間会談でのやり取りの模様をすぐ近くで拝見して、「演説の麻生」、「外交の麻生」そして「経済の麻生」と呼ばれる麻生総理のすごさを、改めて肌で感じることができました。また、講演会場やビジネスリーダーとの昼食会などの機会に、多くの方から、今回の総理の講演は、非常に具体的・包括的な内容となっており、感銘を受けた、との声を伺い、今回のダボス訪問の成果を、現地にいながらにして実感することもできました。
今後も、世界経済の回復や地球環境問題など、日本と国際社会が直面する課題は山積しており、日本としても、取り組みを一層強化していくことが求められています。こうした取り組みを一つ一つ着実に実行し、成果を上げていくためにも、官房副長官として麻生総理を一層盛りたてられるよう、私も引き続き全力で頑張っていきたいと思います。
羽田空港には日曜日の昼過ぎに到着しましたが、麻生総理は今日も休むことなく、明日からの国会論戦に備えて、総理公邸で打ち合わせが行われました。


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